2019/08/29 08:41
「臍下の一点と共に動く」火曜日 神戸常盤アリーナ 合氣道講座 8/27 2019 文 助教 石井ひろ子
「臍下の一点と共に動く」
日々の稽古
神戸常盤アリーナ 合氣道講座
10:30~12:00
当館夏休み明けの、
6週間ぶりのお稽古です。
受講生は老若男女ですが、
皆さん、笑顔の出席でした。
ヤル気満々、氣が出ています。
今日は3級昇級審査を控えた生徒さんを対象に、
前半は、
統一体中級の項目を繰り返し練習しました。
本日の稽古内容
胡座姿の統一
手首を前に出した統一
前方にかがんでの統一
後方に反っての統一
肩取り二教 入身
胡座姿での
臍下の一点の位置は、
両膝の先端を結んだ線の真ん中の
さらに下の床面です。
二人組でテストする人が、
前方に位置させた足側の膝を
両手で上方に持ち上げます。
このとき、臍下の一点が
上がってしまっていると、
上げられた方向に、
簡単に転がってしまいます。
心身統一の四大原則の
三、「身体の全ての部分の重みをその最下部に置く」
これを実践すれば少々、持ち上げられた位では転ぶようなことはありませんが、
これが、なかなか難易度が高く、
特に初心者には簡単にできるものではありません。
統一体の姿勢での氣のテストというのは、
持ち上げたり、転ばしたり、曲げたり、倒したりするのが目的ではありません。
「心が身体を動かす」氣の原理を体得してもらうためのものです。
身体は目に見えますが、心は見えません。
しかし、心の状態は身体に現れます。
身体を押したり、上げたりすることによって心の状態がわかります。
心が落ち着いている時は、身体もリラックスしているので、自然と身体の重みは下にあります。
これは、地球の表面において重力があるからです。
これを天地=自然の法則といいます。
人間の身体も物体ですので、重みは下にあるのが当たり前ですが、
緊張したり、怒ったり、悲しんだり、驚いたりしたときは臍下の一点が定まらず、無意識のうちに意識が上に上がります。
緊張することを上がる、
腹が立つことを頭に来る、
といった表現もここから、きているのではないでしょうか?
初心者には少しずつ、優しく教えてやり、
心が落ち着いている状態、身体の重みが下にある状態というのはどの様な感じなのか?を
体得してもらいます。
初心者は、テストする人が押したり、上げたりする力を受けずに、逃がすことを覚えることも大切です。
持ち上げられた力を、
臍下の一点とともに
両膝も一緒に上がると考えると、
ある程度、磐石になり倒れません。
まず初心者は、この力を逃がす、力の方向を変えることである程度のドシッとした姿勢になります。
あとは、稽古を重ねて身体の重みを下に置くことで磐石な統一体が養われます。
次に、
後方から腰の辺りを
前に向かって押されます。
このときも、
臍下の一点が
上がってしまっていると
簡単に前方に転がってしまいます。
臍下の一点に心をしずめ、
全身の力を完全に抜き、
重みを最下部に置く。
そうすると、
後ろから押されても
びくともしない、
磐石な状態を保つことができます。
心が身体を動かす。
生きていくうちには、
つらい事や悲しい事があり、
この心の波を
なくす事はできません。
しかし、
零にはならないが、
1/2.1/2と無限に静める事ができます。
「零に向かって無限に静めていき、止まることなき所、之を統一」という、
と、藤平光一先生のご著書にあります。
統一体・氣の原理は、
この心の落ち着きを養うための、
ひとつの方法だと思います。
合氣道琴心館寺崎道場
助教 石井ひろ子