2026-10-08 03:18:00

" 東京十社参りの結願。夏の王子神社に吹く涼風と「髪の祖神」への感謝 "

今朝も目覚めることができた。

ありがとう。

 

 

本日は二十四節氣

寒露【かんろ】初候

 

七十二候

第四十九候 鴻雁来【こうがんきたる】

十月八日~十二日ごろ。

雁などの冬鳥が北から渡ってくるころ。

 

 ​

 

 

本日の “ 道場長の一日一心 ”

『 身は天地の借り物、ただ感謝の内に 』

 

 

 

東京出張の折には、

「江戸の坂道巡り同好会」の活動として、

 

稽古の合間に

江戸時代から続く由緒ある坂道を

歩くのが常でございますが、

 

​実は数年前から、

もう一つ続けてきたことがございます。

 

 

それが「東京十社参り」でございます。

 

 

 

東京十社とは、

もとは明治天皇が東京の安寧を祈願して

定められた格式高いお社のこと。

 

その後、

昭和天皇の御即位五十年を奉祝し、

 

改めて巡拝の形として整えられたのが、

現在の「東京十社参り」なのだそうです。

 

 

根津神社、芝大神宮、神田明神、日枝神社、

亀戸天神社、白山神社、品川神社、

富岡八幡宮、王子神社、赤坂氷川神社。

 

 

​

一回の東京出張の

集中稽古の合間に一社程度のペースで、

 

数年をかけて、

参拝を重ねてまいりました。

 

 

​

残すところ

「王子神社」と「亀戸天神社」の二社となり、

 

そして今年の夏、

とうとう結願の時を迎える出張となりました。

 

 

​

今年の東京の夏は

わたしの住む神戸より数段涼しく、

滞在中に30度を超えることは稀でした。

 

 

​とはいえ、

夏真っ盛りの都心のアスファルト。

 

 

歩き回れば、

それなりに暑さを感じます。

 

しかし、

空調服の風のおかげで

随分と快適に歩くことができたのです。

 

 

 

​今回、滞在先に

アパホテル駒込駅前を選びましたのも、

結願の地である「王子神社」へ

向かうためでございました。

 

​

 

御朱印帳を持参し、

ホテルを出て

東京メトロ南北線に乗り込みます。

 

駒込駅からわずか二駅。

 

涼しい車内でほっと一息つく間に、

王子駅でございます。

 

 

​

地上に出ますと、

すぐそばには緑豊かな

音無親水公園(おとなししんすいこうえん)の

せせらぎが広がっております。

 

「日本の都市公園100選」にも

選ばれている美しい場所で、

その清らかな水音が

夏の熱氣を優しく和らげてくれました。

 

 

 

そこから木陰の続く

緩やかな坂道を少し歩き、

 

王子神社の鳥居をくぐりますと、

街の喧騒から切り離されたように

清らかな涼風が吹き抜けておりました。

 

 

​本殿に手を合わせ

御朱印をいただいた後、

 

境内を歩いておりますと、

大変珍しいお社に出会いました。

 

 

「髪の祖神(かみのそしん)」を

お祀りしているお社でございます。

 

 

​

全国的にも極めて珍しく、

髪の毛を扱う

理容や美容に関わる方々の信仰を

広く集めているそうです。

 

 

​髪の毛一本一本に至るまで、

私たちの身体は

天地大自然からの

大切な借り物であることに、

改めて深く感謝することができました。

 

 

 

​また、

この王子神社にほど近い場所には、

江戸の面影を残す

「権現坂(ごんげんざか)」がございます。

 

王子神社参拝とともに

こちらの坂道も歩いてまいりました。

​

以前このブログで記しました

権現坂のエントリーは コチラ から。

 

​

 

真夏の東京の街から

音無親水公園、王子神社、そして権現坂へ。

 

神社の静謐な空氣と

正しいリラックスによって

静かに心身を静めていく。

 

動と静のバランスを整える

大変豊かな時間でございました。

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

合氣道琴心館寺崎道場は

単に武の形をなぞり、

己の技を磨くためだけの

道場ではございません。

 

わたしたちが大切にしているのは、

世のため人のため

社会の礎となる揺るぎない人材を育て、

 

地域社会に貢献しうる真の生き方を

ともに探究していくことです。

 

 

日常に寄り添うささやかな学びを

この道場長ブログ

『ぼくらの合氣道』でも発信しております。

 

ぜひバックナンバーもご覧ください。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

兵庫県合氣道連盟

合氣道琴心館寺崎道場

道場長 拝

2026-10-07 03:17:00

" 夢なき者に成功なし。吉田松陰の教えと、次世代へ繋ぐ「氣の和」"

今朝も目覚めることができた。

ありがとう。

 

 

本日は二十四節氣

秋分【しゅうぶん】末候

 

七十二候

第四十八候 水始涸【みずはじめてかる】

十月三日~七日ごろ。

田んぼの水を抜き秋の実りを迎える準備を始めるころ。

 

 ​

 

 

本日の “ 道場長の一日一心 ”

『 ゆめ なき もの に せいこう なし。よしだしょういん の おしえ と、じせだい へ つなぐ「き の わ」 』

 

 

 

このブログを読んでくださる

皆さまの心にはいま、

大切に温め育んでいる

「夢」がございますでしょうか。

 

 

​​

幕末の志士、吉田松陰は

このような言葉を残しております。

 

 

​

「夢なき者に理想なし、

理想なき者に計画なし、

計画なき者に実行なし、

実行なき者に成功なし。

故に夢なき者に成功なし」

​

 

 

すべての物事は、

遥かなる未来を思い描き、

心に「志(こころざし)」を立てること。

 

 

すなわち「夢」から

始まるのだという教えですね。

 

​

 

もとより、

私自身の胸の奥にも

力強く脈打ち続けている「夢」がございます。

 

 

 

​それは、

まずは己自身が

世のため人のために生きること。

 

その上で、

社会のお役に立つ人材を育むことでございます。

 

 

 

​そして、

その夢の先にある「理想」の姿として、

 

合氣道琴心館寺崎道場の

理念を正しく継承し、

将来、道場を主宰する

立派な師範を育て上げたいという、

 

生涯をかけた

揺るぎない「志」がございます。

 

 

 

​そのための「計画」の一つとして、

現在、当道場が参画しているのが

「コベカツクラブ」でございます。

 

 

​

ご存知の方もいらっしゃるかと存じますが、

「コベカツ」とは、

神戸市が全国に先駆けて進めている、

神戸市立中学校の

「部活動完全地域移行」という取り組みです。

 

 

 

私はこの志に心を寄せ、

日々、指導にあたっております。

 

 

​

ありがたいことに、

開始から1ヶ月で

はや40名もの方々が参加してくださっており、

 

ここに100名以上の方に

ご参加いただくことも、

決して遠い話ではございません。

 

 

 

​吉田松陰の言葉に当てはめるならば、

 

​世のため人のために生き、

社会のお役に立つ人材を育むという

「夢」があり。

 

 

その夢を体現する、

立派な師範を育て上げるという

「理想」を描く。

 

 

そのための「計画」の一つとして、

コベカツに100名以上を集い、

 

核となる、

お弟子さんを見出していくこと。

 

 

 

 

そして日々の「実行」が、

すべてのお弟子さんの

お一人お一人と、

淡々と丹念に向き合うことでございます。

 

 

​

 

どんなに大きな夢も

地に足をつけ、

日々のささやかな

「実行」へと落とし込んでいく。

 

 

 

 

この先もブレることなく、

​焦ることなく、

 

目の前のお一人お一人とのご縁を

ただ淡々と、

美しく紡いでまいります。

 

 

 

――――――――――――――――――

 

 

 

​合氣道琴心館寺崎道場は、

ただ技の完成のみを

目的とする道場ではございません。

 

世のため人のため、

社会の礎となる人材を育て、

地域社会に貢献する

豊かな人生をともに探究していくことです。

 

 

日々の生活に活きる氣づきを

この道場長ブログ

『ぼくらの合氣道』でも発信しております。

 

ぜひバックナンバーもご覧ください。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

兵庫県合氣道連盟

合氣道琴心館寺崎道場

道場長 拝

2026-10-06 03:14:00

" 色づく景色と「もののあはれ」"

今朝も目覚めることができた。

ありがとう。

 

 

本日は二十四節氣

秋分【しゅうぶん】末候

 

七十二候

第四十八候 水始涸【みずはじめてかる】

十月三日~七日ごろ。

田んぼの水を抜き秋の実りを迎える準備を始めるころ。

 

 ​

 

本日の “ 道場長の一日一心 ”

『 いろづく けしき と「もののあはれ」 』

 

 

 

​暦の上では、

「秋分」も明日までとなりました。

 

 

夏の間、

あれほど青々と茂っていた草木から

少しずつ潤いが抜け、

景色全体が秋の装いへと

移り変わっていくころですね。

 

 

​見慣れた街の木々なども

静かに色づき始め、

どこか寂しげで奥ゆかしい

風情を漂わせています。

 

 

 

古(いにしえ)の人々は、

この静かで閑寂な晩秋の風景にこそ、

もっとも奥深い

「もののあはれ」を感じてまいりました。

 

 

​

秋は命が次の命へと

繋がっていく季節です。

 

 

賑やかに鳴いていた虫たちも

静かに土へ還り、

草花もまた種を残してそっと枯れてゆく。

 

 

 

一見すると、

寂しい景色の中にこそ、

確かな命の連鎖という

尊い美しさが隠れているように思います。

 

 

​

秋雨前線が通り過ぎれば、

いよいよ

自然界は静かに乾きを深め、

趣深い枯れ色へと向かっていくことでしょう。

 

 

枯れてゆく過程は、

決して命の終わりではございません。

 

 

 

内に秘めた本質を

より深めていくための、

静かで美しい変化でもあります。

 

 

 

​身近な秋の味覚の中にも

まさにそうやって、

水分を手放すことで

かえって奥深い

魅力を増すものがございます。

 

 

 

​実のところ私は、

生の柿は相当苦手でございます。

 

しかし、

「干し柿」となりますと話は別でして、

こればかりは

不思議と大好きなのです。

 

 

​秋の冷たい風に吹かれ

ゆっくりと水分が抜けていくことで、

驚くほどねっとりと甘く

深い味わいへと変化する。

 

 

まさに、

天地大自然がもたらす魔法ですね。

 

 

 

​

私たちの人生も

これと同じかもしれません。

 

 

 

心身の余分な力みや

不要な執着をすーっと手放していくことで、

 

​内側にぎゅっと凝縮された、

その人だけの深い味わいが

出てくるような氣がいたします。

 

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

​合氣道琴心館寺崎道場の学びは、

決して目に見える技ばかりではございません。

 

私たちが大切にしていることは、

稽古において不要なものを少しづつ手放し、

自身の内なる豊かさを深めていく生き方を

共に探究していくことです。

 

日々の生活に活きる氣づきを

この道場長ブログ

『ぼくらの合氣道』でも発信しております。

 

執着を手放し、

心を豊かにするヒントが

ここにあるかもしれません。

 

ぜひバックナンバーもご覧ください。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

兵庫県合氣道連盟

合氣道琴心館寺崎道場

道場長 拝

2026-10-05 03:54:00

" 武士の矜持が交差する歴史の道へ。港区高輪【柘榴坂】編 "

今朝も目覚めることができた。

ありがとう。

 

今週もよろしくお願いします。

 

 

本日は二十四節氣

秋分【しゅうぶん】末候

 

七十二候

第四十八候 水始涸【みずはじめてかる】

十月三日~七日ごろ。

田んぼの水を抜き秋の実りを迎える準備を始めるころ。

 

 ​

 

本日の “ 道場長の一日一心 ”

『ぶし の きょうじ が こうさ する れきし の みち へ。みなとく たかなわ【ざくろざか】へん』

 

 

​

合氣道琴心館寺崎道場には

もう一つの会として、

「江戸時代から続く由緒ある坂道巡り同好会」

がございます。

 

 

​発足した当初は、

私と江戸の坂道をこよなく愛する

「つぶらやひとみ」さんの二名でした。

 

​

しかし今年の一月、

一名のお弟子さんが

正式に入会してくれたことで

 

ついに江戸の坂道同好会は

生粋の江戸女子二名と私の三名となりました。

 

 

 

​今年の夏の東京出張でも

「江戸の坂道巡り」の新たな一ページとして

港区高輪に残る、

由緒ある東京の坂道を歩いてまいりました。

 

 

 

​前回の港区高輪四丁目にある

「まぼろし坂」のエントリーはコチラ 。

 

 

 

​港区高輪周辺には、

伊皿子坂、聖坂、天神坂、洞坂、桂坂、

いちょう坂など

実に多くの由緒ある坂道が点在しております。

 

 

​

その中で、私たちが次に巡ったのは、

高輪三丁目と四丁目の境界にあり

 

再開発で変貌していく

JR品川駅高輪口の正面へと下っていく、

「柘榴坂(ざくろざか)」でございます。

 

 

 

​港区女子つぶらやひとみさんの

説明によると、

 

この「柘榴坂」は江戸時代、

北側に薩摩藩島津家の下屋敷、

南側に久留米藩有馬家の下屋敷と

広大な大名屋敷に挟まれた

威風堂々たる道だったそうです。

 

 

​

坂名の由来は定かではないらしいのですが、

かつて柘榴(ざくろ)の木があったことが

この美しい名前の由来ではないか

とも言われております。

 

 

 

​現代では真っ直ぐな

天にも昇るような直線ですが、

 

江戸時代には防衛のために、

カギ形に折れ曲がった坂だったそうです。

 

 

 

​この柘榴坂は、

浅田次郎氏の小説であり映画化もされた、

『柘榴坂の仇討』の

舞台としても知られています。

 

 

​主君・井伊直弼 (いいなおすけ) を

桜田門外で失い、

明治の世になっても

仇を討つという

武士の矜持を捨てきれなかった男。

 

 

​

彼が、ついにこの雪降る柘榴坂の上で

仇敵(きゅうてき)と対峙し、

激しく刀を交えます。

 

 

​この先、

彼らがどのような答えを出すのか?

 

映画や小説の結末については、

これから作品に

触れる方の楽しみを奪わぬよう

ここでは語りません。

 

 

 

​ただ、武士たちが

命を懸けて守ろうとした過去の遺恨と、

 

新しい時代の波との間で

揺れ動く凄まじい葛藤には、

深く考えさせられるものがございます。

 

 

 

​合氣道において、

最も大切なものの一つが「感性」です。

 

 

​

目に見える動き以上に

その奥にある「見えない流れ」や「氣配」を

察知することが重要でございます。

 

 

 

​相手と力で争うのではなく、

争いの心を鎮め

自他の氣を結び、和合へと導く。

 

 

 

​柘榴坂の雪の中で

対峙した二人の武士。

 

 

彼らの根底にも、

こうした

「争いを越えた先にあるもの」への

切実な問いがあったのかもしれません。

 

 

 

​そう考えますと、

この坂はまさに合氣道が目指す

「争わない・和合の精神」について

深く思索するにふさわしい場所だと感じました。

 

 

​

 

表面がアスファルトに変わった

現代であっても、

 

足裏から伝わる大地の起伏そのものは

江戸の昔から変わっていないであろうと

深く古(いにしえ)を感じ入ります。

 

 

​

形は変われども

そこに宿る精神は変わらない。

 

 

​日常の中にある古の痕跡から

これほどまでに深い学びを得られることに、

心から感謝いたします。

 

 

 

新しい仲間も加わり、

私たちの江戸時代から続く

由緒ある東京の坂道巡りはまだまだ続きます。

 

過去の坂巡りのエントリーはコチラから

↓↓↓

↓↓↓

雁木坂 中坂 檜坂 狸坂 冬青木坂

七面坂 二合半坂 狸穴坂 乃木坂

大黒坂 鳥居坂 一口坂 本氷川坂

芋洗坂 饂飩坂 永坂 於多福坂 鼠坂

植木坂 日向坂 神明坂 綱の手引坂

綱坂 安全寺坂 左内坂 

市谷亀岡八幡宮 男坂・女坂 三年坂 

帯坂 東郷坂 行人坂 南法眼坂 永井坂 

五味坂 軽子坂 根津裏門坂 権現坂 

大炊介坂 モチ坂 まぼろし坂

​

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

​

 

 

合氣道琴心館寺崎道場での日々の稽古は、

ただ相手を制する術を身につけるためでは

ございません。

 

私たちが大切にしているのは、

過去の出来事や相手との関わりの中で

争いの心を鎮め、共に和合へと向かう

豊かな生き方を探究していくことです。

 

 

日々の生活に活きる氣づきを

この道場長ブログ

『ぼくらの合氣道』でも発信しております。

 

心穏やかに日々を歩むヒントが

ここにあるかもしれません。

 

ぜひバックナンバーもご覧ください。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

兵庫県合氣道連盟

合氣道琴心館寺崎道場

道場長 拝

2026-10-02 03:14:00

" 人のためだからこそ、湧き出でる力 "

​今朝も目覚めることができた。

ありがとう。

 

本日は二十四節氣

秋分【しゅうぶん】次候

 

七十二候

第四十七候 蟄虫培戸【むしかくれてとをふさぐ】

九月二十八日~十月二日ごろ。

虫たちが土の中に隠れて冬ごもりを始めるころ。

 

 

 

 

今日の " 道場長の一日一心 "

『 ​​​​ひと の ため だから こそ、わきいでる ちから 』

 

 

 

 

九月より、

神戸市では「コベカツ」が始まりました。

 

これは、市立中学校の部活動を

地域のクラブへと完全移行し、

子どもたちの多様な体験を

社会全体で支えていく

新しい取り組みでございます。

 

 

 

​私ども、

合氣道琴心館寺崎道場も

コベカツクラブとして、

 

毎日、ご縁をいただいた

五校の中学校へ

合氣道の指導に赴いております。 ​

 

 

 

開始からひと月が過ぎ、

ふと、感じることがございます。

 

 

 

​どこの中学校の武道場も

お世辞にも清らかとは申せません。

 

 

畳には埃(ほこり)や砂が、

そこかしこに散らばっております。

 

 

​おそらく、

誰も掃除をしていないのでしょう。

 

 

 

 

しかし、

子どもたちはこの場所で

日々の授業を受けているはず。

 

 

それを思うと、

少しばかり胸が痛む思いがいたします。

 

 

​

一回のコベカツでの稽古は、

一時間三十分ほど。

 

 

しかし、私にとっては、

おおよそ半日仕事となります。

 

 

 

​一番遠い学校へは車で五十分。

 

 

稽古開始の二時間から遅くとも

一時間半前には到着し、

まずは武道場を入念に掃き清めます。 ​

 

 

ほうきでサッと大まかなごみを払い、

掃除機をかけて隅々まで整える。

 

 

広い空間ゆえ、

なかなかに骨が折れます。 ​

 

 

 

学校によっては掃除機がなく、

ほうきを何度滑らせても

塵が残ってしまうこともございます。

 

 

 

​

ありのままの事実を申せば、

受け身をとって起き上がった

生徒の背や、 髪の毛に、

埃が付いていたこともありました。

 

 

 

 

​それは、

本当に忍びない光景でございます。

 

 

 

​綺麗な畳の上で、

ここに集う子どもから大人まで

皆に氣持ちよく稽古をしてほしい。

 

 

 

 

ただ、その一念だけで、

無心に心と身体を動かしております。

 

 

 

​昨日(10月1日 木曜日)も

神戸市立鈴蘭台中学校の武道場にて

たっぷり一時間、

掃き掃除と掃除機がけに没頭いたしました。 ​

 

 

 

見渡す限り、

ごみも塵も落ちていない。

 

よし!これで安心して、

皆に氣持ちよく転んでもらえる!

 

 

 

そう安堵したのも束の間。

 

 

稽古が始まり、ふと畳を見ると、

また小さな埃が落ちているものでございます。

 

 

 

きりがないと言えば、きりがないのですが…

 

 

​

 

それにしても、

人間とは不思議なものです。

 

 

 

自分でやっておきながら、

いささか他人事のようではございますが、

 

人のためなら、

これほど動けるものなのですね。 ​

 

 

 

これがもし、

自分一人だけの稽古であれば、

少々塵や埃があっても

自分が辛抱すれば済むことですから、

見て見ぬふりをして我慢できるでしょう。 ​

 

 

 

けれど、

ここに集う生徒たちや、

親御さん、ご兄弟の皆様に

心地よい環境を用意してあげたい。

 

 

 

​そう思うと、

不思議といくらでも掃除ができるのです。

 

 

 

​自分のためなら

力も氣もそこそこにしか出せない。

 

 

 

しかし、

「誰かのため」であれば、

その何十倍もの力が

こんこんと湧き出でてくる。

 

 

 

 

​人のためだからこそ、

見返りを求めない澄んだ氣が働くのですね。

 

 

 

 

「誰かの心地よい時間と場を作りたい」

そう願うとき、

私たちは小さな我を忘れ、

思いもよらないほどの氣力に満たされます。 ​

 

 

 

誰かのために尽くしているようでいて、

実は、私自身が一番、

掃き清めるという所作を通じて

心を美しく洗っていただいているのですね。 ​

 

 

 

 

僭越ではございますが、

真の健康とは、

このことを言うのではないでしょうか。

 

 

 

 

人のために

お役に立てる場所があり、

 

そのような役目を

お与えいただける環境に、

今、自分が身を置かせていただいていること。

 

 

 

​その巡り合わせの尊さに

思わず居住まいを正し、

 

ただ静かに掌を合わせたくなる

思いでございます。 ​

 

 

 

掃き清める所作もまた、

自らの心を磨く、修行のひとつ。

 

 

 

秋の澄んだ空氣を

胸いっぱいに吸い込みながら、

 

つくづくと、

そう感じる日々でございます。

 

 

 

今週もありがとうございました。

良い週末を。

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

​合氣道琴心館寺崎道場は

道衣を着た時だけの技を

身につける場ではございませぬ。

 

私たちが大切にしているのは、

見返りを求めず、

誰かのために場を整える喜びを知り、

互いを思いやる豊かな生き方を

共に探究していくことです。

 

日々の生活に活きる氣づきを

この道場長ブログ

『ぼくらの合氣道』でも発信しております。

 

真の健康とは何か?

そのヒントがここにあるかもしれません。

 

ぜひバックナンバーもご覧ください。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

兵庫県合氣道連盟

合氣道琴心館寺崎道場

道場長 拝