2022-06-22 15:19:00

脚下照顧 きゃっかしょうこ

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身近なことに氣をつけるべきであります。

 

1ヶ月に数回、体育館やスポーツ施設の柔道場で稽古を行うことがあります。

 

体育館の入口や、柔道場の入口で履物が散乱している現場をよく見かけます。

 

中に入り覗いてみると、大人や子どもの習い事であったり、何かしらのスポーツ団体であったり。

 

それぞれ、指導者もいますし、子ども達の保護者もいたりします。

 

履物が散乱していても、お構いなしです。

 

 

今から15年以上前に、神戸市兵庫区、現在のノエビアスタジアムに自転車で昔ながらの紙芝居をしてくれる方がおられました。

 

当時、小学生の娘を連れてよく見に行きました。

 

たくさんの子ども達が見に来るので、座れるようにビニールシートを敷いてあり、靴を脱いでビニールシートの上に座ります。

 

その方は、紙芝居を始める前に、必ず「靴は揃える」と大きな声で何度も子ども達に言ってきかせます。

「おい!君、靴は揃える」

 

全員がきちんと履物を揃えたら、楽しい紙芝居が始まります。

 

この方は紙芝居を通して、子ども達に正しく生きる1つの方法を教えて下さってました。

 

地域にとってとても素晴らしい人ですよね。

 

 

指導者は技や技術を教える前に、靴の揃え方から教えるべきではないでしょうか?

 

靴の脱ぎ方くらいと油断してはなりません。

 

履物に氣をつけるということは、足元に氣をつけるということです。

 

頭に血が上ってしまえば、足元に氣が向かなくなり、物につまずいてひっくり返ったりしてしまいます。

 

 

合氣道の稽古においては、まず靴を揃えることから指導します。

 

子どもでも、大人であっても、体験者や、見学者であっても、道場に来られたら最初に教えることが、履物を揃えることです。

 

道場に入ったら、まず心を静めて自分の脱いだ靴を揃えます。

 

 

言われなくても、最初から出来る子どもや大人もいれば、親も子どもも、脱いだら脱ぎっぱなしの人もいます。

 

自宅でその習慣があるか?

ないか?

一目でわかります。

 

 

でも数回、注意するだけできちんと履物を揃えるようになります。

 

特に低学年の子どもの指導では、指導者や親が「脱いだら揃えようね」と子どもと一緒にしてあげることが大事です。

 

指導者は「人としてどう生きていくか?」ということを技や技術を通して、教えるべきではないでしょうか。

 

 

指導者だけではありません!

 

 

特に子ども達にとって、私達は皆、教育者です。

 

これからの日本が良くなるように!

 

 

正しい事をしっかりと、次世代に伝えていく責務があると私は思います。

 

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

兵庫県合氣道連盟

合氣道琴心館寺崎道場

道場長 寺崎 秀行

2022-06-10 10:01:00

子どもたちの長所を伸ばしてあげましょう!

 

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子ども合氣道の稽古では、子どもたち一人ひとりの「長所を見つける」ことが大切です。

 

どんな子どもでも、良いところの一つや二つはあるもので、指導者はそれを伸ばしてあげることを心掛けるべきです。

 

 

合氣道指導者として10年が経ち、数え切れない程、たくさんの子どもたちと稽古を通じて接してきました。

 

そんな中、怠け癖があり、どことなく表情の暗い、一人の子どもが入門してきました。

 

学校から帰宅し、すぐに道場に来て稽古することに「休みたいな」と思うことは誰にでもありますよね。

 

数年間、稽古を続けても怠け癖は、なかなか改善出来ません。

 

でも道場に来ると、凄く氣が出るんです!

 

受身も積極的に取り、後輩の面倒も見れます。

 

 

受身が上手い、後輩の面倒を見れるというプラスの部分と、怠け癖というマイナスの部分。

 

 

ある年の合同稽古の日が迫った、稽古で「その華麗な受身を大勢の人が見ている前でやってみようか?君なら出来る!」と師範演武の受けに、その子どもを指名しました。

 

 

合同稽古では所属道場以外の普段稽古で会うことのない、他の子どもたちや大人の門人に加え、子どもたちの保護者の方など多数の人が見ている中で受けを取ることになります。

 

もちろん、その子どもにとっては初体験です。

 

後日、感想を聞いてみると「めっちゃめっちゃ緊張して、頭の中真っ白でした」と笑顔で答える、その子どもに「これからも、ことある毎に、受けを頼むよ」と伝えました。

 

 

それ以降、以前に比べ、稽古を休む日も少なくなり、これまで以上に、氣を出し、後輩の面倒を見れ、受身の精度が数段に上がり、表情も明るく良くなりました!

 

今も元氣に道場に通い、少年部の中心的な存在になっています。

 

 

人には誰にでも、プラスとマイナスがあります。

 

物にもプラスの面とマイナスの面があります。

 

物に光を当てれば、明るい部分と暗い部分が必ずあり、そのどちらも正しい。

 

 

インターネットの普及により、今や欠かすことのできないSNSなども良い面と悪い面があります。

 

その良い面を活かすということ。

 

 

子どものみならず、大人でもその人の長所を伸ばしてあげること。

 

 

「舎短取長」
しゃたんしゅちょう

 

 

子育ても同様です。

 

人を導く上で非常に重要なキーワードです!

 

対人関係も然り。

 

相手のプラスの面で付き合うと、プラス部分がマイナスをカバーし、マイナスを出さずに、相手もプラスで付き合ってくれます。

 

 

合氣道の稽古とは、人生の稽古であります。

 

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

兵庫県合氣道連盟
合氣道琴心館寺崎道場 
道場長 寺崎 秀行