2026-02-05 03:52:00

" 【古を歩く】 千年の祈りを包む、現代の社。 神明坂 編 "

今朝目覚めることができた。

ありがとう。

 

 

本日は、二十四節氣

立春(りっしゅん)初候

 

七十二候

第一候 東風解凍(はるかぜこおりをとく)

2月4日~8日ごろ。

東から暖かい春風が吹いてきて、

厚い氷をゆっくり解かし始めるころ。

 

 

 

 

今日の " 道場長の一日一心 "

​『 ​​​【いにしえ を ある く】 せんねん の いのり を つつむ、げんだい の やしろ。 しんめいざか へん 』

​

​

 

 

名は体を表し、

歴史は坂に宿る。

 

その声を聴くのも

稽古のひとつ。

 

 

静けさの中にこそ

本当の強さは宿る。

 

​中心となる臍下の一点に

心を鎮めて。

 

 

 

 

お正月の東京出張、

江戸の面影を追う坂道巡り。

 

 

 

​麻布台ヒルズの摩天楼を見上げ、

「鼠坂」で身を屈めるような

古の氣配を感じ、

 

​「植木坂」を経て、

 

「日向坂」で

オーストラリア大使館からの

開放的な陽の氣を浴びました。

​

 

 

 

その陽だまりの余韻を感じながら、

私たちは次なる場所、

 

 

 

「神明坂(しんめいざか)」へと

歩みを進めました。

​

 

 

港区三田一丁目。

 

 

日向坂を登り切った先、

オーストラリア大使館と

 

三井倶楽部の間の交差点を、

北へと下る坂道。

​

 

 

 

この坂の名は、

坂の途中にある神社、

「元神明宮(もとしんめいぐう)」

(天祖神社)に由来するといわれています。

​

 

 

坂を下り、

そしてまた上るような地形。

 

 

その中腹に、

不思議な空間が現れました。

​

 

 

一見すると、

現代的なコンクリートの建築物。

 

 

 

しかし、

そこから漂う空氣は

紛れもなく「神域」のそれです。

​

 

 

「元神明宮」。

 

 

 

その歴史は古く、

創建は平安時代、寛弘二年(1005年)。

 

 

一千年以上の

時を刻む古社であり、

 

かつては

武将・渡辺綱(わたなべのつな)も

祈りを捧げた場所とされています。

​

 

 

「神明(しんめい)」とは、

天照大御神(あまてらすおおみかみ)のこと。

 

 

 

なぜ、ただの「神明宮」ではなく

「元(もと)」が付くのか。

 

 

 

そこには、

この坂の名の重みとなる

歴史のドラマがありました。

​

 

 

 

江戸に入府した

徳川家の命により、

 

神宝・御神体が

飯倉神明(現在の芝大神宮)に移される際、

​

 

古くから

この地を守ってきた

 

氏子、崇敬者たちは、

これに応じませんでした。

​

 

​

御神体を隠し奉り、

昼夜を徹して警護し続け、

 

この地が

信仰の「元(オリジン)」であるとして

守り抜きました。

 

 

​

その強い熱意は、

現代的な社殿となった今も

変わらずここに在ります。

 

 

 

​

コンクリートの

モダンな外観の中に、

 

大切に包み込まれた

伝統的な木造の本殿。

​

 

 

 

それはまるで、

時代の変化の中でも

 

決して失ってはいけない

「中心」を

静かに抱いているかのようです。

 

 

​

 

合氣道で大切にしているのは、

相手と力で争うことではありません。

 

無理に力を込めて

踏ん張ることでもありません。

​

 

 

大切なのは、

自らの根底にあるもの (中心) を

守り崩さぬこと。

​

 

 

 

臍下の一点(せいかのいってん)に

心を静める。

 

ただそれだけで、

心身は統一され、

 

何事にも動じない

「不動心」が生まれます。

​

 

 

 

元神明宮の氏子たちが、

権力に対して

 

力で対抗したのではなく、

「守るべきもの」に

心を寄せ続けたように。

 

 

 

​

私たちもまた、

外からの力に反応して

身体を固めるのではなく、

 

自分の中心にある一点に

静かに心を置くことが大切です。

 

 

 

​

この「神明坂」の、

新しさと古さが同居する

景色の中を歩くとき、

​

私たちの足裏は何を感じているか?

​

 

 

アスファルトの下に眠る

千年前の土の記憶。

 

 

そして、

一点を守り抜いた人々の

揺るぎない強さ。

 

 

​

 

 

近代的な

ビルの谷間にあっても、

 

ここには

清冽 (せいれつ) な

氣が流れています。

 

 

 

​

外側が

いかに変わろうとも、

 

臍下の一点さえ

静まっていれば、

 

私たちは

どんな時代でも

調和していける。

 

 

 

​

元神明宮の佇まいから、

そんな「生き方」の極意を

 

改めて

教わったような氣がします。

 

 

​

 

麻布台ヒルズから始まり、

鼠坂、植木坂、日向坂、

そして「神明坂」へ。

 

 

​

東京という大都会の

レイヤー(層)の深さを味わった、

 

新年の素晴らしい

稽古となりました。

 

 

 

​

古を歩くことは、

己の「元」を確かめること。

 

 

​

皆さんも、

東京の坂道で

 

静かなる歴史の声に

耳を澄ませてみませんか?

 

 

 

 

 

【追記】

" 神様からの予期せぬギフト "

​

 

 

元神明宮で参拝を終え、

清々しい氣持ちで御朱印を拝受しました。

​

 

ふと、

「おみくじを引いてみようか」

という流れに。

 

​

今回、

忙しい合間を縫って

案内してくれた弟子と二人、

心を静めて箱に手を伸ばします。

​

 

手渡された紙を

そっと開くと……

​

 

なんと、

二人揃って「大吉」。

​

 

示し合わせたわけでもないのに、

同じ場所で、

同じ運氣を引き寄せる。

​

 

これもまた、

互いの氣が響き合い、

波長が合っている証拠なのでしょう。

 

​

「迷わず、その道を行け」

​

 

神様から、

そんな力強いエールをいただいたようで、

 

思わず顔を見合わせて

喜びの笑みがこぼれました。

​

 

ありがとうございます。

 

 

幸先の良い、

一年の始まりです。

 

 

 

 

​

さて、

次はどの坂が、

私たちを待っているのでしょうか。

 

 

 

 

​古の江戸を歩く旅、

まだまだ続きます。

 

 

 

 

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

兵庫県合氣道連盟

合氣道琴心館寺崎道場

道場長 拝