2025-09-08 03:43:00

" 麻布十番・七面坂と、時を超えて繋がるそばの味。そして友情。

今朝も目覚めることができた。

ありがとう。

 

本日は、二十四節氣

白露【はくろ】初候

 

七十二候

第四十三候 草露白(くさのつゆしろし)

「草露白」は9月7日~11日頃。

 

二十四節氣は「白露」へと移りました。

日中の暑さは変わらず厳しいですが、朝夕は少し涼しくなってきました。

「草露白」は草に降りた露が白く輝いて見える頃。

 

 

 

 

 

 今日の " 道場長の一日一心 " 

『 あざぶじゅうばん・しちめんざか と、とき を  こえ て つなが る そば の あじ。そして ゆうじょう。 』

 

 

 

 

​合氣道師範として13年目。

 

稽古を通じて、

自分自身の内面と向き合うことの

大切さを日々、学ばせていただいています。

 

 

 

それと同じように、

道場を一歩出れば、

 

東京の街にも、

ひとつひとつの道や坂に

 

歴史と趣 (おもむき) があることに

氣づかされます。

 

 

 

今年の夏、40年以上の時を経て

再び訪れた港区麻布十番 七面坂。

 

 

 

忘れていた記憶の断片と、

新しい氣づきを得ることができました。

 

 

 

先月の東京出張では、

たくさんのお弟子さんたちと

 

親睦を深めることができ、

実りある時間を過ごさせていただきました。

 

 

 

 

麻布台教室で稽古を終えた

ある日、

 

私の東京出張を陰で支えてくれる

中島小雪師範部長と

食事をすることになりました。

 

 

 

彼女とは私が合氣道に出会うずっと前の、

40年来の友人(正確には44年くらい)であり、

 

私が19歳の頃からの付き合いです。

 

 

 

 

​「先生、どこかおいしいお蕎麦でもどうですか?」

 

 

 

 

​麻布十番には

老舗の名店が多いからと、

おすすめのお店へ案内してくれることに。

 

 

 

​商店街から一本入った通りを進むと、

「七面坂」という坂に差し掛かりました。

 

 

 

坂名の由来は、

坂の東にあった本善寺に

 

七面大明神の木像が

安置されていたからだとか。

 

 

この「七面坂」

「大黒坂」に交差する短い坂道です。

 

 

 

 

この辺りは

江戸から続く由緒ある坂道の宝庫です。

 

 

 

 

​「先生、覚えてますか?

ここ、昔一緒に行ったことあるんですよ」

 

 

 

 

​中島小雪師範部長は

懐かしそうに言いました。

 

 

 

しかし、

私にはその記憶が全くありません。

 

 

 

 

20代の頃、

彼女と少し敷居の高い

お蕎麦屋さんに行ったような、

 

ぼんやりとした記憶はありますが、

この「七面坂」を歩いた記憶は皆無でした。

 

 

 

 

​当時の私は

江戸の坂道に何の興味もなく、

 

ただ、

通り過ぎていただけだったのでしょう。

 

 

 

 

しかし、今は違います。

 

 

 

 

合氣道という道を歩む中で、

何氣ない道ひとつひとつに歴史があり、

物語があることを知るようになりました。

 

 

 

そして、

それは特に東京の街に通じることだと

氣づかされます。

 

 

 

 

​今年の夏、

「七面坂」を歩いてみて、

 

坂上の「大黒坂」へと続く道のりの先に、

歴史を感じる

たたずまいの蕎麦屋が見えました。

 

 

 

 

40年以上前に訪れた

そのお店に、

再び足を踏み入れることができたのです。

 

 

 

 

​「あの時と同じ味だね」

 

 

 

 

​懐かしさに浸りながら、

 

合氣道のことや、

お弟子さんのこと、

道場運営のこと、

そして昔話。

 

 

中島小雪師範部長と語り合いました。

 

 

 

昔は

ただ美味しい蕎麦を食べるだけで

精一杯だったかもしれません。

 

 

 

しかし、今は違います。

 

 

 

 

この場所で、

この旧友であり、弟子であり、

国士であるこの日本女子と、

 

忘れていた記憶の断片が繋がり、

この貴重な時間を共有できることの

尊さを噛みしめることができました。

 

 

 

 

合氣道の稽古で培った、

今この瞬間に集中する心が、

 

私たちにその氣づきを

与えてくれたのだと思います。

 

 

 

長年の友人と歩いた七面坂。

 

 

 

 

40年の時を経て、

新たな視点と感謝の氣持ちを胸に、

 

改めてその由緒ある江戸の坂道を

歩き直すことができました。

 

 

 

 

​日々の稽古も、

人生の道も、

そして街の坂道も、

 

 

見方を変えれば新しい発見がある。

 

 

そんなことを教えてくれた、

かけがえのない一日でした。

 

 

 

 

過去の坂巡りのエントリーはコチラから

↓↓↓

雁木坂

中坂

檜坂

狸坂

冬青木坂

 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

兵庫県合氣道連盟

合氣道琴心館寺崎道場

道場長 拝