" 麻布十番・七面坂と、時を超えて繋がるそばの味。そして友情。
今朝も目覚めることができた。
ありがとう。
本日は、二十四節氣
白露【はくろ】初候
七十二候
第四十三候 草露白(くさのつゆしろし)
「草露白」は9月7日~11日頃。
二十四節氣は「白露」へと移りました。
日中の暑さは変わらず厳しいですが、朝夕は少し涼しくなってきました。
「草露白」は草に降りた露が白く輝いて見える頃。
今日の " 道場長の一日一心 "
『 あざぶじゅうばん・しちめんざか と、とき を こえ て つなが る そば の あじ。そして ゆうじょう。 』
合氣道師範として13年目。
稽古を通じて、
自分自身の内面と向き合うことの
大切さを日々、学ばせていただいています。
それと同じように、
道場を一歩出れば、
東京の街にも、
ひとつひとつの道や坂に
歴史と趣 (おもむき) があることに
氣づかされます。
今年の夏、40年以上の時を経て
再び訪れた港区麻布十番 七面坂。
忘れていた記憶の断片と、
新しい氣づきを得ることができました。
先月の東京出張では、
たくさんのお弟子さんたちと
親睦を深めることができ、
実りある時間を過ごさせていただきました。
麻布台教室で稽古を終えた
ある日、
私の東京出張を陰で支えてくれる
中島小雪師範部長と
食事をすることになりました。
彼女とは私が合氣道に出会うずっと前の、
40年来の友人(正確には44年くらい)であり、
私が19歳の頃からの付き合いです。
「先生、どこかおいしいお蕎麦でもどうですか?」
麻布十番には
老舗の名店が多いからと、
おすすめのお店へ案内してくれることに。
商店街から一本入った通りを進むと、
「七面坂」という坂に差し掛かりました。
坂名の由来は、
坂の東にあった本善寺に
七面大明神の木像が
安置されていたからだとか。
この「七面坂」は
「大黒坂」に交差する短い坂道です。
この辺りは
江戸から続く由緒ある坂道の宝庫です。
「先生、覚えてますか?
ここ、昔一緒に行ったことあるんですよ」
中島小雪師範部長は
懐かしそうに言いました。
しかし、
私にはその記憶が全くありません。
20代の頃、
彼女と少し敷居の高い
お蕎麦屋さんに行ったような、
ぼんやりとした記憶はありますが、
この「七面坂」を歩いた記憶は皆無でした。
当時の私は
江戸の坂道に何の興味もなく、
ただ、
通り過ぎていただけだったのでしょう。
しかし、今は違います。
合氣道という道を歩む中で、
何氣ない道ひとつひとつに歴史があり、
物語があることを知るようになりました。
そして、
それは特に東京の街に通じることだと
氣づかされます。
今年の夏、
「七面坂」を歩いてみて、
坂上の「大黒坂」へと続く道のりの先に、
歴史を感じる
たたずまいの蕎麦屋が見えました。
40年以上前に訪れた
そのお店に、
再び足を踏み入れることができたのです。
「あの時と同じ味だね」
懐かしさに浸りながら、
合氣道のことや、
お弟子さんのこと、
道場運営のこと、
そして昔話。
中島小雪師範部長と語り合いました。
昔は
ただ美味しい蕎麦を食べるだけで
精一杯だったかもしれません。
しかし、今は違います。
この場所で、
この旧友であり、弟子であり、
国士であるこの日本女子と、
忘れていた記憶の断片が繋がり、
この貴重な時間を共有できることの
尊さを噛みしめることができました。
合氣道の稽古で培った、
今この瞬間に集中する心が、
私たちにその氣づきを
与えてくれたのだと思います。
長年の友人と歩いた七面坂。
40年の時を経て、
新たな視点と感謝の氣持ちを胸に、
改めてその由緒ある江戸の坂道を
歩き直すことができました。
日々の稽古も、
人生の道も、
そして街の坂道も、
見方を変えれば新しい発見がある。
そんなことを教えてくれた、
かけがえのない一日でした。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
兵庫県合氣道連盟
合氣道琴心館寺崎道場
道場長 拝