愉快に人のために
合氣道琴心館寺崎道場 道場長の寺崎 秀行です。
まず最初に一般に合氣道といっても、たくさんの流派、団体があり、それぞれ目的や稽古法、心身の使い方など異なります。
ここに記す内容は、「合氣道琴心館寺崎道場」に基づくものであります。
さて、合氣道創始者である植芝盛平翁は「稽古は愉快におこなわねばならない」と説かれました。
愉快に稽古することで、リラックスでき、自身の心身をのびのびと使うことができます。
真剣に稽古する中で、難易度の高い技の稽古でも、愉快であるから面白く、楽しく、やる氣も増し、一緒に稽古する相手も愉快になります。
「一緒に稽古する相手も愉快になる」
これが1つのキーワードです。
自分がプラスの氣を発すれば、それが相手にも伝わり、相手もプラスの氣を出します。
それが道場全体に広がります。
自分を成長させるために、熱心に稽古することは良いことですが、あまり上手くいかない時が多々あります。
では良い方法は?
それは「相手を成長させてあげること」
もっと言うなら、
「人のために稽古すること」
これが最重要キーワードです!
合氣道の組技は、相手がいるから稽古できるものです。
まず、相手を尊重し、相手の立場に立って、相手を少しでも上達させるために自分が何をすべきか?
それを常に考え、行動する人は必ず上達します!
たとえ、先輩で、相手が自分より級、段位が上であっても、その人のために稽古することです。
ついつい、私達は自分が上達したいから、成長したいからという思いのみで稽古してしまい、思うように上達しないから、さらにもっと自分のために稽古を重ねます。
重ねても重ねても、上達しないから、そのうち嫌になって道半ばで、自ら稽古を止めてしまうという悪循環に陥ってしまいます。
そもそも合氣道の技は、自分の都合の良いように相手を投げようと思っても技が効きません。投げることが出来ません。
私自身も稽古を止めてしまったことは無いですが、この悪循環に陥った経験があります。
もともと、人は一人では生きていけません。
私達の住んでいる地球と人の関係はどうでしょう?
太陽からの光を受け、空氣があり、たくさんの動植物のおかげで私達は生かしていただいています。
そして生活していく上で、人との繋がり無くしては何の仕事も成り立ちません。
人のために役立つ自分に、地球のために役立つ自分になるためには、自分自身がより成長しなくてはなれません。
そういう心得を持続するには、自分の心が静まっていなければ出来ませぬ。
そのために日頃から呼吸法をして、常に心を落ち着くべき所「臍下の一点」に静めていなくてはなりません。
その日頃の鍛錬があるからこそ、自分自身が上達、成長出来るのです!
日本をもっと良い国にし、日本のみならず、世界を、もっと言うなら、私達生命を育んでくださる地球のために自分自身ができることを考え、行動することが大切です。
人のために生きれば、戦争なんか起こるはずがありません!
人のために生きれば、いじめなんかあるはずがありません!
人のために生きることは尊いものです。
合氣道の稽古はその最たるものです。
合氣道には、今の日本を変える力を持っていると私は信じてます。
まずは今の自分に出来ることからはじめよう!
相手を愉快に、相手のために稽古をする心得で道場に行くなら、
カビの生えたような薄汚い稽古着など着用するはずがないでしょう。
相手の手を持ったときに、相手の手指を傷つけてしまう可能性がある爪を、伸ばしたままにするはずがないでしょう。
自ずと身だしなみも整うはずですよね!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。