2025-12-12 03:21:00

" 難技『二人掛け』に見る、「個」と「和」の中心軸 "

今朝も目覚めることができた。

ありがとう。

 

 

本日は、二十四節氣

大雪【たいせつ】次候

 

七十二候

第六十二候 熊蟄穴(くまあなにこもる)

12月11日~15日ごろ。

熊が冬眠のために穴へこもるころ。

 

 

 

 

 

今日の " 道場長の一日一心 " 

『 なんぎ『ににんがけ』に み る、「こ」と「わ」の ちゅうしん じく 』

 

 

 

 

先日の

大人クラスの稽古では、

「二人掛け(ににんがけ)」という

技を稽古しました。

 

 

 

 

合氣道をされていない方に

分かりやすく言えば、

 

 

これは、

投げの右手首を

一人が両手で持ち、

 

左手首を

もう一人が両手で持つ

という状況から始まります。

 

 

 

 

「両手を封じられた状態で、二人同時に投げる」

という、非常に難易度の高い技です。

 

 

 

当然ながら、

力任せに投げようとしても相手は二人。

 

ビクともしません。

 

 

お弟子さんたちも、

二人の氣と、重さと、力に

相当苦労されているようでした。

 

 

 

この技を

スムーズに行うための重要なポイントは、

 

「受けの二人を常に引っ付けておくこと」です。

 

 

 

二人が離れてしまっては力が分散し、

到底投げることはできません。

 

 

 

「二人を一つの塊のように扱う必要があります」。

 

 

 

 

師範として指導の場に立つ時、

私はいつも感じることがあります。

 

 

 

それは、

「合氣道の技は、人間関係や生き方そのものである」

ということです。

 

 

 

この二人掛けの極意もまた、

そのまま人生の教訓に通じます。

 

 

 

 

まず第一に、「姿勢」です。

 

相手を動かそうとする前に、

まず自分の姿勢が整っていること。

 

これは生き方において、

ブレない確固たる

信念を持つことに他なりません。

 

 

 

​第二に、「結び」です。

 

相手と離れていては技は掛かりません。

 

相手を拒絶するのではなく、

思いやりと愛情を持って寄り添うこと。

 

その心の「結び」があって初めて、

人は動いてくれるのです。

 

 

そして最後に、

最も大切なのが「中心(バランス)」です。

 

二人掛けでは、

左右に相手がいます。

 

どちらか一方に

意識や力が偏れば、

 

もう片方を制御できなくなり、

技は成立しません。

 

 

つまり、

片方は投げることができても、

もう片方を投げることはできません。

 

 

 

これを

人生に置き換えて考えてみましょう。

 

 

 

右手が「内なる守り」

" 自分や子ども、家庭 " であるならば、

 

左手は「外への働き」

" 仕事、社会貢献、親や恩人のため " と

考えることができます。

 

 

 

 

自分や家族のことばかり

(右)に偏れば、

社会との調和を失います。

 

 

 

一方で、

外の仕事や社会のこと

(左)ばかりに氣を取られれば、

自分自身や家族がおろそかになってしまいます。

 

 

 

右にも左にも傾かない。

 

 

 

 

自分の信念は絶対にブレず、

他者も生かす。

 

 

 

 

どちらにも傾かない、

この絶妙なバランスを保つことこそが、

「中心の道」なのです。

 

 

 

「二人掛け」という

二人を同時に導くこの難技を通して、

 

私たちが歩むべき道は

偏りのない、調和の取れた

「天地のど真ん中」であることを学びました。

 

 

 

そして、

お弟子さんを指導する

私もまた、己のバランスを問い直す

貴重な一日となりました。

 

 

 

 

 

 

今週もありがとうございました。

良い週末を。

 

 

 

 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

兵庫県合氣道連盟

合氣道琴心館寺崎道場

道場長 拝