2025-11-20 03:38:00

" 無意識の所作、親の「躾」と子の「未来」 "

今朝も目覚めることができた。

ありがとう。

 

 

 本日は、二十四節氣

立冬【りっとう】末候

 

七十二候

第五十七候 金盞香(きんせんかさく)

11月17日~21日ごろ。

寒い冬の訪れとともに、可憐で香りの良い水仙が咲き始めるころ。

 

 

 

今日の " 道場長の一日一心 " 

『 むいしき の しょさ、おや の「しつけ」と この「みらい」 』

 

 

 

 

先日、

所用でとあるお店に立ち寄りました。

 

 

目的の鞄売り場のすぐ前が、

店舗の試着室スペースになっていました。

 

 

 

​そこで、

目を覆いたくなるような

光景を目にしました。

 

 

 

 

一人の男性(40~50歳くらい)が

試着室にズボンを持って入ろうとした際、

 

脱いだ履き物(サンダル)を

あたり構わず脱ぎ散らかして

そのままにしてしまったのです。

 

 

それは、

試着室の前を通る人を

塞ぐかのように散乱していました。

 

 

本来、

履き物を脱ぐという行為には、

わずかな時間であっても、

 

「次に履く時のこと」

「その場を使う人のこと」を考える、

一種の作法が伴うはずです。

 

 

 

それは

合氣道の道場における

「履物を揃える」という、

ごく基本的な所作と全く同じです。

 

 

 

" 履き物を揃える、一つの教え "

 

 

 

​合氣道琴心館寺崎道場では、

この「履物を揃える」という

所作を非常に重んじます。

 

 

 

これは、

単に見た目の美しさや

整頓のためだけではありません。

 

 

 

 

それは「心」の整頓です。

 

それは「次の人」への配慮です。

 

​それは「自分」を律する修業です。

 

 

 

 

履き物が

バラバラに散らかった状態は、

 

そのまま

その人の「心の乱れ」を象徴しています。

 

 

 

自己中心的な振る舞いであり、

「公」の場における

「道」の欠如と言わざるを得ません。

 

 

 

まことに見苦しく、

一日本人として、

とても恥ずかしく思いました。

 

 

 

 

" 躾は連鎖する。

親の「行い」は子の「未来」"

 

 

 

​この男性は、

おそらく幼少期に

 

「履き物を揃える」という

基本的な躾を

受ける機会がなかったのでしょう。

 

 

そして、

もしこの男性に

子どもがいるとすれば、

 

その子どもたちも、

親である彼の「行い」を

無意識のうちに学んでしまいます。

 

 

 

注意する

親の姿を見ていないのですから、

 

彼らもまた、

同じように

履き物をバラバラにしてしまうでしょう。

 

 

 

 

「躾」とは、

「身を美しく」と書きます。

 

 

 

親から子へ、

目上から目下へと

受け継がれていくものです。

 

 

 

 

" 常に「道場」の意識を持つ "

 

 

 

​私たちは、

道場を一歩出た場所でも、

 

常に

「道場にいるのと同じ心」を

持ち続けるべきです。

 

 

 

 

​試着室の前であっても

お風呂屋さんのトイレであっても、

 

「履物を揃える」という

たった一つの行いが、

その人の「人間性」を映し出します。

 

 

 

他者への配慮、

自らを律する心。

 

 

 

 

この当たり前の「道」を、

 

私自身も日々の稽古と

生活の中で実践し続け、

 

お弟子さんたち(特に子どもたち)に

伝えていきたいと改めて強く誓いました。

 

 

 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

兵庫県合氣道連盟

合氣道琴心館寺崎道場

道場長 拝