" 「安定」は成長の敵 "
今朝も目覚めることができた。
ありがとう。
本日は、二十四節氣
寒露【かんろ】末候
七十二候
第五十一候 蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)
10月18日~10月22日頃。
秋の虫たちが戸口で鳴きはじめる頃。
キリギリスは、昔はコオロギのことを指していたそうです。
今日の " 道場長の一日一心 "
『 " あんてい " は せいちょう の てき 』
これは、
私自身のこれまでの人生と
合氣道の修行を通じて、
そして、
道場長として多くの人を見てきて、
確信していることです。
私たちは、
つい「安定」を求めがちです。
但し、
ここで言う「安定」とは、
心身の落ち着きや、
盤石な姿勢といったものではありません。
ここで言う「安定」とは、
たとえば、
安定した生活、安定した収入、
安定した関係などを指します。
こと
自己成長と人生の充実に限っては、
この「安定」は、
最も警戒すべき状態なのです。
" 合氣道の「居着き」が示すもの "
合氣道の稽古で、
「居着く」という言葉があります。
これは、
相手の動きや状況に
思考や身体がとらわれ、
心がそこに「執着」して、
一瞬でも動きが止まってしまうこと。
居着いた瞬間、
その者は相手の攻撃を受け、
技は決まりません。
人生も同じです。
「もう大丈夫」
「これで十分」と現状に満足し、
精神が居着いた状態こそが、
この「安定」の正体です。
居着いた心は、
新しい挑戦や学びを拒否します。
「面倒だ」
「リスクがある」と変化を恐れ、
成長を止めてしまう。
成長が止まった人間は、
時代の変化という名の攻撃に、
抵抗できなくなってしまいます。
それは、
生きているのに、
精神的には死んでいる状態。
これこそが
人生の「負け」であると、
私は思います。
では、
どうすれば
「負け」から逃れられるのか?
それは、
意識的に自分を「不安定」な
状態に置き続けることです。
" 新しい技術や知識への挑戦 "
稽古のたびに
「一つでも新しい発見をする」
たとえば、
あえて不慣れな動きや、
自分が苦手な相手と組む。
私なら
「この指導法は最適か?」
「道場運営はこれで良いか?」と、
毎日、
自分のやり方に疑いの目を向け、
改善点を探します。
" 読書と学びの継続 "
「安定」した
思考を打ち破るため、
常に異分野の知恵を取り込み、
視野を広げます。
新たなことや
未経験の分野に
一歩踏み出すたびに、
時に心はざわつき、
失敗を恐れることもあります。
しかし、
この「不安定」な状態こそが、
精神を研ぎ澄まし、
真の「安定」
(どんな変化にも対応できる能力)を
生む源となるのです。
道場長として、
お弟子さんのみなさんに
伝えたいことは、
人生の「安定」は、
心地良いぬるま湯で
居心地が良いかもしれません。
しかし、
そのぬるま湯は、
あなたの活力をゆっくりと奪い、
やがてあなたを「居着かせ」ます。
本当に
心が強くなりたいのなら、
意図的に
不安定な場所へ踏み出しましょう。
日常の生活において、
たとえば、
今まで
話さなかった人に声をかけてみたり、
仕事で
一歩先の役割を引き受けたり。
その一歩一歩が、
自分自身を「居着き」から解放し、
人生という名の試合に
勝ち続ける力となるはずです。
さあ、
今日から
「安定」を打ち破る挑戦を
ともにしてまいりましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
兵庫県合氣道連盟
合氣道琴心館寺崎道場
道場長 拝