" 「下がる」から「飛べる」成長の法則 "
今朝も目覚めることができた。
ありがとう。
本日は、二十四節氣
霜降【そうこう】次候
七十二候
第五十三候 霎時施(こさめときどきふる)
10月28日~11月1日頃。ときどき小雨が降る頃。
小雨はすぐに止んでしまうような降っては止み、すぐに晴れるといった時雨(しぐれ)のことを指します。
今日の " 道場長の一日一心 "
『 「さが る」から「とべ る」せいちょう の ほうそく 』
" 良くなる前に「悪くなる」のは当たり前 "
この世の真理、
「天地大自然の法則」を
理解していない人が
いかに多いか、と感じる日々です。
私たちが
何か新しいことに挑戦する時、
あるいは
人生でこれまでと全く違った、
大きな道に進もうとする時。
必ず一度は
「反対の出来事」が起こります。
良くなるためには、
その直前に一度、
その反対に
「悪くなる」現象を
経験せざるを得ません。
" 飛躍の直前には「ため」が必要 "
これは
人生の中で、
自分が成長する過程において、
揺るぎない原理原則です。
大きく飛躍し、
高く上がろうと思ったら、
一度、
深く膝を曲げ、
下に「下がらねば」、
その反動で
大きく飛ぶことはできません。
この「下がる」局面を、
停滞や後退、
あるいは
失敗だと捉えてしまい、
手を止めてしまう人が
あまりにも多いように思うのです。
" 心と身体に起こる「好転反応」"
特に、
「良くなる前には、一時的に悪くなる」
という現象は、
私たちの心身の営みの中で、
具体的なサインとしても表れます。
たとえば、
整体の施術などを
受けた後のことを考えてみてください。
長年の体の歪みを正し、
滞っていたエネルギーを
流し始めた直後、
一時的に体がだるくなったり、
痛みが増したりすることがあります。
これを、
「好転反応(こうてんはんのう)」と
呼びます。
身体は、
真に良い状態、「良くなる」ために、
一度、古い毒素や
悪い習慣によって
硬直した部分を
排出しようと
激しく活動を始めるのです。
この激しい
排出作用や調整期間を、
私たちは
表面的な感覚で
「悪くなった」と
錯覚してしまいがちです。
人生や精神的な成長も全く同じです。
悪い習慣を断とうとする時の
強い葛藤や苦痛。
新しい価値観を
受け入れた直後の、
一時的な人間関係の摩擦。
これらは、
自分の心や人生が、
根本的に
「良くなろう」と必死で戦い、
身体をリセットしている証拠なのです。
合氣道を学ぶにも
入門時において、
入会金を納め
道着を購入するといった、
初期投資が必要になりますね。
" 大飛躍を阻む「良くなりたい、悪くはなりたくない」という傲慢 "
誰もが良くなりたいと強く願う。
しかし、
悪くはなりたくない、
わがまま、傲慢、怠慢な人は
辛い「好転反応」は受け入れたくない。
これは、
「天地大自然の法則」に
真っ向から反する姿勢です。
このブログを毎日読んでくださる
賢者の皆さんなら、
「そんなこと、当たり前のことじゃないですか。」
そう思ってくださることでしょうね。
しかし、
そうではない人も多くいるのです。
実際に
私が合氣道を通じて、
その方の素質を評価して、
更なる成長、向上を願い、
ある提案を
させていただいた事があります。
そこで、その方に
「但し、軌道に乗るには少し時間もかかるし、少しの出費も必要になります」
そうお話したところ、
「そんな時間もお金もかかるなら、私はできません」
そう即答されました。
「痛みなくして成長なし」
痛みとは、
身体や心が新しいステージへ
移行する際の
摩擦熱のようなものです。
その摩擦から
逃げようとすれば、
熱は生まれず、
永久に現状維持のままです。
" 天地大自然の法則と合氣道の「受け身」の精神 "
物理学的に見ても、
これは疑いようのない事実です。
上から物を下に落とせば、
地面に落ちて必ずはね返る。
下がれば、必ず上がる。
合氣道の稽古とは、
この法則を
「心と身体」で知ることでもあります。
相手の「氣」が向かってきたとき、
力で押し返すのではなく、
あえて一度その「氣」に
「沿って下がり(受け入れ)」、
その「下がる」という
運動の中に相手の力を飲み込み、
「臍下の一点」で
増幅させてから、
その反動を利用して
「上げる(投げ返す)」のです。
"「反対の出来事」を歓迎する心 "
もし今、
あなたの人生に、
あるいは
合氣道の稽古の中で、
望まない
「反対の出来事」や、
成長のための
「好転反応」が起こっているならば、
それは大きな飛躍の前の
「ため」だと捉えるべきです。
不調や失敗は、
これまでのやり方を見直す
一時的な「沈み込み」の機会です。
辛い「好転反応」は、
心と身体が根本から改善に向かっている
確かなサインなのです。
この原理原則を深く心に刻み、
「下がること」を恐れず、
「反対の出来事」を歓迎できる
心境こそ、
真の成長への道です。
道場に来て、
失敗を恐れず、
何度でも転んで(下がり)ください。
転んだ分だけ、
必ず立ち上がり(上がり)、
大きく飛躍できるエネルギーが
必ず、蓄積されるのです。
上から物を落とせば
下に落ちる。
地面に落ちれば、
その反動ではね返って上がる。
この天地大自然の
絶対的大法則に
「ノー」と言える人は、
世界中で誰一人として、いないのでありまする。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
兵庫県合氣道連盟
合氣道琴心館寺崎道場
道場長 拝