" 刀に学ぶ「平和」の心 : 合氣道に通じる武士道の真髄 "
今朝も目覚めることができた。
ありがとう。
本日は、二十四節氣
芒種【ぼうしゅ】末候
七十二候
第二十七候 梅子黄【うめのみきばむ】
「芒種」は末候へと移りました。
「梅子黄」は6月16日~20日ころにあたります。
青かった梅の実がだんだんと黄色く色づき始める頃を指します。
これは、梅が収穫の時期を迎えるサイン。
梅干しや梅酒、梅のジャムなど、日本の夏には欠かせない、
梅の加工品づくりが盛んになる季節の到来を告げる候です。
今日の道場長の一日一心
『 かたな に まな ぶ「へいわ」の こころ : あいきどう に つうじ る ぶしどう の しんずい 』
" 刀に宿る武士の魂と合氣道の「和」の心 "
合氣道は、
争いを避け、「和を尊ぶ」ことを
根幹とする武道です。
この精神は、
古くから武士たちが重んじてきた
「武士道」と深く相通じるものがあると、
私は思います。
武士と聞けば、多くの方が
「刀」を思い浮かべるのではないでしょうか。
刀は単なる武器ではなく、
「刀は武士の魂」とまで言われたように、
武士の生き様そのものを象徴する、
かけがえのない存在でした。
" 幼少期からの武家の「教育」:端午の節句に息づく伝統 "
武家の子どもは、
幼い頃から刀との深い関わりが始まり、
わずか5歳で武士の装束をまとい、
本物の刀を腰に差すことを許されたと
伝えられています。
これは、
単に剣術を学ぶだけでなく、
刀の扱い方、
ひいては武士としての正しい立ち居振る舞いを、
心身両面から
徹底的に叩き込まれることを意味しました。
この習わしは、
現代の日本にも「端午の節句」として
色濃く残っているのですね。
5月5日に
男の子の成長を願うこの行事では、
鎧兜 (よろいかぶと) や
刀、弓矢などを飾り、鯉のぼりを立てます。
これらは、
かつて武士が
戦場で身を守るために用いた武具であり、
「強く、たくましく、そして正しく成長してほしい」
という「親の願い」が込められています。
まさしく、
幼い頃から武士としての
「自覚」と「心構え」を育んだ、
当時の「武家の教育」の精神が、
形を変えて受け継がれている証と
言えるのではないでしょうか。
15歳で「元服」の儀式を経て
一人前の武士と認められるまで、
彼らにとって刀は、
まさに「一心同体」とも呼べる存在だったのでしょう。
" 刀が教える「真の勝利」とは "
武士は、
その魂ともいえる刀を最大限に尊重しました。
刀に対する不敬は、
持ち主への侮辱に等しいとされ、
決して容認されませんでした。
同時に、彼らは軽々に
刀を抜くことを潔しとしませんでした。
真の武士は、
刀を使うべき「時と場」を心得ていたのです。
常に武力の象徴である
刀を身につけていた武士だからこそ、
彼らは深く理解していました。
「真の勝利は、暴力の先に存在するものではない。」
そして、
血を流さずに争いを収めることこそが、
最善の道であると。
なぜなら、
彼ら武士が追い求めた究極の理想は、
他ならぬ「平和」だったからです。
" 現代の言葉に息づく「武士道精神」 "
武士と刀の関係性から生まれた
伝統や精神は、
現代社会にも脈々と受け継がれています。
私たちの日常会話にも、
その名残を見出すことができます。
たとえば、
「抜き打ち」とは、
事前の予告なしに行動することであり、
「付け焼刃」とは、
一夜漬けの知識や急場しのぎの対応のこと、
また「反りが合わない」とは、
性格や意見が食い違い、しっくりこない様であり、
「鎬(しのぎ)を削る」とは、
激しい競争を繰り広げること、
さらに「元の鞘(さや)に収まる」とは、
揉め事が解決し、元の良好な関係に戻ることなど…
これらの表現は、
すべて武士と刀の深い関わりから
生まれたものです。
言葉の端々に、
彼らの生きた時代と精神が息づいている、
そう思うと、感慨深いものがありますね。
" 合氣道に宿る武士の「和」の心 "
合氣道もまた、
相手を打ち負かすことではなく、
相手との調和を図り、
争いを鎮めることを目指します。
これは、
刀を携えながらも「平和」を
究極の理想とした
武士の精神と、
まさしく軌を一にするものであると
私は思います。
僭越ではありますが、
私たち合氣道を学ぶ者は、
現代において、
物理的な刀を持たずとも、
「武士道精神」を体現する存在で
ありたいものです。
合氣道琴心館寺崎道場に集う
お弟子さん一人ひとりが、
日々の稽古を通じて、
単に技を磨くだけでなく、
心身を鍛錬し、
平和を尊ぶ「和」の心を
育んでもらいたいと願っています。
合氣道に少しでもご興味を
お持ちいただけましたら、
ぜひ一度、道場へ足をお運びください。
心よりお待ちしております。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
兵庫県合氣道連盟
合氣道琴心館寺崎道場
道場長 拝