" 【自然の理】命を繋ぐ蛍の無数の光とバリ島ウブドの追憶 "
今朝も目覚めることができた。
ありがとう。
本日は、二十四節氣
芒種【ぼうしゅ】次候
七十二候
第二十六候 腐草為蛍 (くされたるくさほたるとなる)
6月10日~15日ごろ。
野原では蒸れて、腐りかけた草の中から蛍が舞い飛び始めるころ。
今日の " 道場長の一日一心 "
『 【しぜん の ことわり】いのち を つなぐ ほたる の むすう の ひかり と ばりとう うぶど の ついおく 』
七十二候
" 蛍が舞い飛び始めるころ " に
ちなんで、
私がまだ幼かったころ、
昭和の高度経済成長期の
神戸の街。
そんな都会でも、
身近な水辺に
蛍が飛んでおりました。
夜の帳が下りると
柔らかな光を放ちながら、
宙を舞う。
その姿を
今でも鮮明に憶えております。
蛍と申しますと、
私には
忘れられない光景がございます。
1980年(昭和55年)からの
約十数年間、
年に一、二度ほど、計十八回
インドネシアのバリ島へ渡っておりました。
現地のあたたかな空氣。
そして、
どこからともなく漂う、
グダンガラムの独特な香り。
これはクローブという
丁子(ちょうじ)を混ぜた、
インドネシア特有のタバコのこと。
火をつけるとパチパチと音が鳴り、
甘くスパイシーなその香りは
当時のバリを象徴するものでした。
美味しい食事。
微笑みあふれるバリの人々。
そして何より、
人が少なく素晴らしい波で、
サーフィンができたからです。
中でも
私のお氣に入りだったのが、
山間部に位置する
「ウブド」という村でした。
ウブドは
銀細工などが有名で、
芸術と自然が融合した静かな村でした。
世界中から集まる
画家などのアーティストが、
「ロスメン」と呼ばれる安宿に
ひっそりと滞在する。
そして、
のんびりと絵を描いている姿が
とても印象的でありました。
当時のウブドには
まだ電氣が十分に普及しておらず、
夜になれば、
オイルランプの灯りが頼りの生活でした。
その村の中心部、
私にはとっておきの場所がありました。
「カフェ・ロータス」
その名の通り、
見渡す限りの大きな池に
見事な蓮の花が咲き誇るお店です。
日が落ち
深い深い闇が訪れますと、
そこは、
まったくの
別世界へと変貌いたします。
大きな池の水面すれすれ、
そして、
周囲の鬱蒼とした木々の合間から、
一つ、
また一つと、
淡い黄緑色の光が灯り始めるのです。
やがてそれは、
数え切れないほどの
無数の光の舞いとなります。
視界を完全に
埋め尽くすほどの大量の蛍。
あちらで明滅し、
こちらで緩やかな軌跡を描き
漆黒の池全体が
光の海に包まれるのです。
それは、
まるで満天の星空が
そのまま地上に
零れ(こぼれ)落ちてきたかのようでした。
息を呑むほどの圧巻の光景。
ただただ、
その生命の美しさに圧倒され、
時の経つのも忘れて
深く見入っておりました。
あれから約五十年。
ネットで検索すれば、
老舗「カフェ・ロータス」は
今でも営業しているそうです。
しかし、
私が最後に訪れた
2000年ごろのウブドには、
もう昔の面影はありませんでした。
大型バスが行き交い
クラクションの騒音が
絶え間なく鳴りやまない、
すっかり観光地化された街へと
姿を変えていたのです。
あの時、
命を輝かせていた蛍たちの子孫は
今も、生きていけるのでしょうか。
人里離れた静かな地で、
今も命を輝かせていることを
願うばかりです。
蛍という生き物は
成虫になってからは
何も食べないそうです。
葉に降りた
夜露などの水分をとるのみです。
その命は、
わずか三日から
長くとも十日ほどと言われております。
そのごく限られた時間の中で、
彼らが光を放ち
夜空を飛び回るのは、
子孫を残すための
大切な求愛行動なのですね。
自らの短い
命の炎を燃やし尽くすように光り、
次の世代へと命を繋いでいく。
大自然の理(ことわり)に身を委ね、
ただ純粋に
今を生きる姿に
私たちは
深く考えさせられるものがあります。
情報と喧騒に溢れる
現代社会に生きる私たちではありますが、
時には、
自分自身の命の輝きを
静かに見つめ直す時間も
必要なのではないでしょうか。
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合氣道琴心館寺崎道場が
大切にしているのは、
ただ技を極めることではありません。
日々の生活に活きる
「心と身体の調和」をはかり、
蛍が暗闇に放つ
儚くも力強い光のように、
「周囲の人の心に灯火を灯す」生き方を
ともに探究していくことです。
そして命を尊び、
自然と和合する姿勢を
日々の暮らしの中で「率先躬行」していくこと。
自然の理や、
日々の稽古を通じた氣づきを
この道場長ブログ
『ぼくらの合氣道』でも発信しております。
より健やかな生き方、
良好な対人関係の築き方など
現代の暮らしに活かすヒントが
ここにあるかもしれません。
ぜひバックナンバーもご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
兵庫県合氣道連盟
合氣道琴心館寺崎道場
道場長 拝