" 親鸞聖人の「仇桜」に学ぶ、今日を生き切るヒント "
今朝も目覚めることができた。
ありがとう。
本日は、二十四節氣
春分【しゅんぶん】次候
七十二候
第十二候 雷乃発声 【かみなりすなわちこえをはっす】
3月30日~4月3日ごろ。
恵みの雨を呼ぶ春雷が、遠くで鳴り始める季節です。
今日の " 道場長の一日一心 "
『 しんらんしょうにん の「あだざくら」に まなぶ、きょう を いききる ひんと 』
さて、春といえば、
やはり、桜でございますね。
見事に咲き誇り、
そして、
潔く舞い散る姿。
まさに、
私たちの心を映し出す
特別な花です。
ふるさとの山々を
やわらかな
薄紅色に染め上げながら、
桜前線は、南から北へと
ゆっくり、ゆっくりと、
進んでまいります。
過去三十年の記録を
振り返りますと、
一月二十日ごろに
沖縄で満開を迎え、
北海道で
満開となるのは、五月十五日ごろ。
今年は二月の氣温が、
やや高かったこともあり、
開花は平年よりも
少し早足でした。
三月末には
すでに満開の景色を
楽しめた場所も
多かったようですね。
日本列島を
何週間もかけて、
ゆっくりと縦断していく
桜前線。
同じ日本でありながら、
沖縄と北海道では、
桜に出会える季節が
四ヶ月も違うのですね。
その事実が
日本という国の
南北への広がりを
改めて教えてくれる氣がいたします。
時代とともに、
花見の風景も
少しずつ変化してまいりました。
かつては、
ブルーシートを大きく広げ、
皆で賑やかに宴を囲むのが、
春の定番の景色でした。
しかし最近では、
ただ静かに、
花を愛でる方が、
増えているのだそうです。
お一人で、
ゆったりと散歩をしながら、
ご自身の未来へ
思いを馳せる。
あるいは、
お氣に入りのカフェの窓辺から、
美味しいお茶とともに
景色を眺める。
どのような
向き合い方であっても、
桜は、優しく、
私たちの心に
寄り添ってくれます。
そういえば、
昨日、四月二日の夜は、
「ピンクムーン」と呼ばれる、
見事な満月でございました。
場所によっては、
少し散りかけた桜でも、
昨日のような
月夜の夜桜見物は、
また格別な趣があるものです。
みなさまは、
ぽっかりと浮かぶ、
まん丸の満月に
美しく映える夜桜を、
ご覧になられましたでしょうか。
なぜ、
これほどまでに
桜は人の心を揺さぶるのでしょうか。
それはやはり、
「散りゆく」からなのかもしれません。
満開の美しさを保てるのは、
ほんの一週間ほどの、
短い時間。
ずっとこのままでいてほしいと、
誰もが願います。
しかし、
散る運命にあるからこそ、
その姿は、
痛いほどに美しいのです。
その儚さに、
古来より日本人は
特別な思いを重ねてきたのでしょう。
ただ、
植物の理(ことわり)として見れば、
桜が急いで
花を散らすのには、
明確な理由があるのですね。
それは、
いち早く葉を広げ、
「光合成」を行いたいからです。
花びらを落とした後には、
生命力にあふれた
青々とした葉桜が姿を現します。
あの瑞々しい緑もまた、
春が持つ、
もう一つの美しい顔ですね。
そして、
厳しい冬を越えれば、
来年もまた、
同じ桜の木が花を開かせてくれる。
その天地大自然との
確かな約束があるからこそ、
私たちは
春の訪れに、
深い期待と安心感を
覚えるのかもしれませんね。
ここで
古人の遺した、
一つの歌をご紹介いたします。
「明日ありと 思う心の 仇桜(あだざくら) 夜半(よわ)に嵐の 吹かぬものかは」
親鸞聖人が
詠まれたと伝わる、このお歌。
明日もまだ、
桜は咲いているだろうなどと、
安心していると
夜中に強い嵐が吹いて、
無残に散ってしまうかもしれない。
転じて、
「明日やればいい」と、
物事を先延ばしにする心への
静かな戒めでございます。
私たちの人生も
桜と同じ。
「永遠」など
どこにもありません。
だからこそ、
今、目の前にある時間を愛おしみ、
今日という一日を、
ゆったりとした呼吸とともに
大切に味わい尽くすことが、
何より尊いのです。
移ろいゆく、
春の景色を眺めながら、
どうぞ、みなさま、
心穏やかな
春の日をお過ごしください。
今週もありがとうございました。
良い週末を。
一一一一一一一一一一一一一一一一一一
合氣道琴心館寺崎道場が
大切にしているのは、
ただ決められた形を
なぞることではありません。
桜の花が、
その短い命を見事に咲き切るように。
私たちもまた、
一日一日を
ゆったりとした深い呼吸とともに
大切に生き切り、
他者と心を通わせる
穏やかな調和をはかること。
自らが進んで、
今ここにある命を味わう
和の生き方を体現し、
その姿が
巡り会う方々の胸の内に、
春の陽だまりのような
温もりを届けることに繋がると信じ、
ともに探求していくことです。
自然の理(ことわり)や
日々の稽古を通じた氣づきを、
この道場長ブログ
『ぼくらの合氣道』でも発信しております。
より健やかな生き方、
良好な対人関係の築き方など、
現代の暮らしに活かすヒントが、
ここにあるかもしれません。
ぜひバックナンバーもご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
兵庫県合氣道連盟
合氣道琴心館寺崎道場
道場長 拝