" 子の運命を支配する種。親が子に残す「徳」の遺産 "
今朝も目覚めることができた。
ありがとう。
本日は、二十四節氣
霜降【そうこう】末候
七十二候
第五十四候 楓蔦黄(もみじつたきばむ)
11月2日~11月6日頃。
野山の楓(かえで)や蔦(つた)の葉が、赤や黄に色づく頃という意味です。
今日の " 道場長の一日一心 "
『 こ の うんめい を しはい す る たね 。おや が こ に のこ す「とく」の いさん 』
" 子の運命を拓く! 「親の生き方」こそ最強の財産と教え "
道場長を務める私が、
稽古を通して
人の「生き方」というものを
日々見つめる中で、
最も重要だと感じる哲学があります。
それは、
親が子に遺すべき、
形のない、
しかし、
最も強力な財産についてです。
多くの親御さんは、
子の将来のために
有形の財産や
良い学歴といった
「結果」を残そうと努力されます。
しかし、
真に子孫の人生を支え、
導く力となるのは、
それら物質的な
ものだけではありません。
第一に子に残してやるもの、
それは、
親の生きてきた「生き方」、
「考え方」であります。
私はこの言葉に、
すべてが凝縮されていると思います。
私たちは日々の生活の
一挙手一投足を通じて、
子に
「人生の型」を伝えているのです。
" 「徳」か「不徳」か "
親の生き方が種となる。
合氣道の技には、
理合い(動きの法則)があり、
それを忠実に体得することで、
技は初めて生きたものとなります。
人生の「型」も同じです。
親の生き方こそが、
子にとっての人生の理合いとなります。
" 生き方が「よければ」、それが「徳」になる "
親が誠実に、
他者への感謝と敬意を持って生き、
世のため、人のためになる
生き方、働き方をし、
それを全うするための
困難に正対し、
諦めや安易な逃げ道を
選ばない姿勢は、
子にとって
揺るぎない心の軸となります。
この「徳」は、
子孫の道に光を灯し、
人生の厳しい荒波を乗り越える
精神的な力(氣)となります。
" 生き方が「悪ければ」、「不徳の種」になる "
たとえ言葉で
正論を語っても、
親が自分のことや
家族のことしか考えず
不誠実であったり、
その責任から逃げる姿勢を
見せたりすれば、
それは子にとって
致命的な「不徳の種」となります。
この種は、
子の心に疑念や不安を植え付け、
人生において
誤った選択をする
「悪いくせ」として、
子孫の運命、性格に
深くかかわっていくのです。
この「徳」または
「不徳」の種が、
やがて芽吹き、
その子の運命を支配していくのです。
" 合氣道の教えに見る「無言の力」"
私たち
合氣道の師範は、
言葉で教える以上に、
自らの身体の使い方、
間の取り方、
動くタイミングといった
技や立ち居振る舞いを通して、
「生き方」
そのものをお弟子さんに示します。
道場で真摯に
稽古に向き合う姿は、
親が家庭で
人生に向き合う姿と同じです。
子に示すもの、
残すべきものは、
「どれだけ成功したか」
という結果論ではなく、
「どういう姿勢で生きたか」
という親の背中です。
親が人生の道場で
常に学び、
成長し、
失敗しても
受け身を取り、
再び
立ち上がる姿を見せること。
それこそが、
子孫の人生を豊かにし、
社会を力強く生きていくための
「力」となるのです。
私たち
子を持つ親は、
今日という日を大切に、
徳を積む生き方を選択し続けること。
それこそが、
子孫の運命を明るく照らす、
最高の「遺産」となるのでありまする。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
兵庫県合氣道連盟
合氣道琴心館寺崎道場
道場長 拝