2025-07-23 03:48:00

" 花火に学ぶ「一心」の教え "

今朝も目覚めることができた。

ありがとう。

 

 

 

本日は、二十四節氣

大暑【たいしょ】初候

 

七十二候

第三十四候  桐始結花【きりはじめてはなをむすぶ】

二十四節氣は「大暑」へと移りました。

二十四節氣における夏の最後の節氣で、

一年で最も暑さが厳しい時期とされています。

 

「桐始結花」は7月22日~27日ころにあたります。

きりの花が実を結び始める頃。

 

 

 

 

 

今日の " 道場長の一日一心 " 

『 はなび に まな ぶ「いっしん」の おしえ 』

 

 

 

" 夜空に咲く祈りの華 " 

 

 

毎年夏になると、

合氣道琴心館寺崎道場では

 

恒例の指導者練成稽古と

特別集中稽古が開催されます。

 

 

今年も8月1日からお盆明けにかけて、

東京と神奈川の地でお弟子さんたちと

共に汗を流す予定です。

 

 

 

この時期になると、

お弟子さんたちから決まって

 

「先生、どうせなら隅田川花火大会の時に東京に来てくださいよ!」

「とても綺麗なので、ぜひ先生にも観ていただきたいです」

 

などと嬉しい誘いの言葉をいただきます。

 

 

 

残念ながら、

これまで稽古日程との兼ね合いで、

 

その壮大な光景をこの目で見る機会に

恵まれませんでしたが、

 

いつかその大輪の花々を

夜空に眺めてみたいと願っています。

 

 

 

 

そこで、

今日の「道場長の一日一心」は、

 

この夏の風物詩、

花火に焦点を当ててみたいと思います。

 

 

 

 

 

" 花火に込められた江戸の祈り "

 

 

 

今から約300年前、

江戸時代中期の1732年。

 

享保 (きょうほう) 17年に

全国的な大飢饉「享保の大飢饉」が発生し、

 

加えて

江戸では「コレラ」を意味する疫病

「虎狼痢 (コロリ) 」が猛威を振るい、

多くの人々が命を落としました。

 

 

 

この事態を深く憂慮した

第八代将軍、徳川吉宗公は

 

亡くなった人々の霊を慰め、

疫病退散を祈願するため、

 

両国橋のたもとで行われる

夏の風物詩「納涼祭(川開き)」の際に、

 

亡くなった人々の魂を慰め、

疫病が退散するよう願いを込めて

花火を打ち上げたそうです。

 

 

 

これが、現在まで続く

日本を代表する花火大会である、

隅田川花火大会のルーツなのだそうです。

 

 

 

 

 

" 鎮魂と娯楽、そして技術の競演 "

 

 

 

 

現代の華やかな花火大会からは

想像もしにくいですね。

 

 

その起源は

疫病の流行と多くの死者への鎮魂、

そして疫神退散の祈りにあったのですね。

 

 

 

コレラに限らず、当時の夏は

様々な疫病が蔓延しやすい季節だったのでしょう。

 

 

 

 

花火は、

病に倒れた人々への供養であり、

 

彼らをあの世へ送り出すための

光でもあったのです。

 

 

 

 

当初は慰霊と疫病退散が目的でしたが、

次第に庶民の夏の楽しみとして定着し、

 

日本の代表的な花火大会へと

発展してきたという歴史があるのですね。

 

 

 

このように、

隅田川花火大会は

 

単なる娯楽として始まったのではなく、

厳しい時代に亡くなった人々への鎮魂と、

 

疫病の終息を願う

切なる祈りから生まれた歴史を持っているのです。

 

 

 

 

" 花火師たちの意地と絆 " 

 

 

 

この時に花火を打ち上げた花火師は、

「鍵屋六代目弥兵衛」であったと記録されています。

 

 

 

その後、「玉屋」も登場し

夜空に大輪の花が咲くたびに、

 

観客が「たまや~!」「かぎや~!」と

掛け声を上げたのは、

 

この二つの花火師の名から来ているのだそうです。

 

 

 

 

「鍵屋」「玉屋」の二大花火師が

技術を競い合うようになり、

その掛け声が現在まで残っているのです。

 

 

 

しかし、

不運にも「玉屋」は

火事を起こしてしまいます。

 

当時、

木造建築が密集する大都市・江戸において、

失火は重大な罪とされ

江戸を追放されるという厳しい刑を

科されたのでした。

 

 

 

一方の「鍵屋」は、

その伝統を現代にまで連綿と受け継ぎ、

 

現在も十五代目として

日本の花火文化を支え続けています。

 

 

 

 

 

" 花火から学ぶ「一心」"

 

 

 

花火は一瞬の輝きですが、

その一瞬のために

花火師たちは全身全霊を傾けます。

 

 

彼らの技術、情熱、

そして何よりも

人々の平和と安寧への祈りが、

あの夜空の大輪を創り出しているということ。

 

 

 

それは、

合氣道の稽古に繋がるものがあります。

 

 

 

日々の鍛錬、

一瞬一瞬に集中する「一心」の精神。

 

 

 

 

心ここにあり。

 

 

 

花火に込められた

先人たちの想いを感じながら、

 

私もまた、

来るべき夏の稽古に「一心」で臨む所存です。

 

 

 

皆さんも、

今年の夏、夜空に輝く花火を見上げながら、

その美しさだけでなく、

 

その裏に秘められた「歴史」

「先人たちの祈り」

思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

兵庫県合氣道連盟

合氣道琴心館寺崎道場

道場長 拝