2024-11-12 04:53:00

" 徳を頂いた "

今朝も目覚めることができた、

ありがとう。

 

 

『とく を いただいた』

 

 

先つ日、

 

自宅を出て

駅へ向かう途中で、

 

車椅子に乗る

70代位の男性が

前方から来た。

 

私は道を譲ろうと、

少し横へ寄ろうとしたが、

 

こちらに笑顔で

近寄って来られた。

 

顔見知りでもなければ

知り合いでもないのだが、

 

2年ほど前から、

自宅からほど近い

兵庫キャナルタウン合氣道教室で

週3回稽古していることもあり、

 

最近では

私が存じ上げない人でも

「合氣道の先生ですね」

というふうに

 

ご近所さんから

声をかけられることも

少なくないから、

 

その車椅子の方も

そう思ったのだが、

 

そうでは無さそうでした。

 

笑顔で近寄ってこられ、

ご自身の

上着のファスナーを指差され、

「閉めてもらえないでしょうか」と

仰られました。

 

どうやら、

手の指が不自由な方のようだ。

 

私は「はい、良いですよ」と

喜んで上着のファスナーを

閉めてあげました。

 

「助かりました。ありがとうございました」と

車椅子の男性も

喜ばれて行かれました。

 

実はその時、

私の前には一人の女性が

私と同じ方向に

歩いていたのですが、

 

その車椅子の男性は

その女性には見向きもせず、

 

私の方に寄って来られた。

 

車椅子の男性にしてみれば、

もしかしたら

その女性に頼むことに

遠慮され、

同性の私に

頼んだのかもしれない。

 

 

それはさておき、

 

 

「ありがとうございました」と去ってゆく、

 

その男性の後ろ姿に

 

「こちらこそ、ありがとうございました」と、感謝した。

 

 

おそらく、

この方は私以外の人とも

すれ違っているはずである。

 

私の自宅から駅へ向かう

その道は

平日の昼間とはいえ、

そこそこ人通りもある。

 

その中から、

私を選んでくださった。

 

なんという、

ありがたいことなのだろう。 

 

感謝するのは私の方だ。

 

 

" してくれてありがとう "

" させていただいてありがとう "

 

私はこの車椅子の男性から

徳を頂きました。

 

天地大自然には

そのご縁を頂きました。

 

その日は終日、

ほのぼのとした

心が安らぐ一日でした。

 

 

人間はお互いに

他者を尊ぶ

" 感謝の心 " があれば、

 

争いごとは起こらない。

 

" 平和 " とは

こういうことなんだろうね。

 

 

最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

道場長 拝