" 啐啄同時 "
今朝も目覚めることができた、
ありがとう。
『そつ たく どう じ』
「啐啄」とは
啐に子をつけて「子啐」、
啄に母をつけて「母啄」。
つまり、子啐とは
雛が卵から出ようと
卵の内側からつつくことであり、
母啄とは
母鳥が外から卵の殻を
つつくことである。
この両者がつつく
タイミングが重要であり、
必ず同時でなければいけない。
早すぎてもいけない。
遅すぎてもいけない。
またとない好機のことだ。
「啐啄同時」
それは、
生きていく過程において
様々な場面で大切なことです。
絶好の氣の瞬間が
人は万事を決するのだ。
学ぼうとする者と
教え導く者。
導く者と導かれる者の
息が合って、相通じること。
合氣道師範である
私の立場で申しますと、
お弟子さんとの呼吸が
見事に一致する。
心の方向がピタッと合致したとき
私とそのお弟子さんともに
進歩、向上することができる、
絶好のタイミングであります。
導く側は
その時を見定め、
見誤ってはなりませぬ。
導かれる側は
その時を逃してはなりませぬ。
10年以上、
たくさんのお弟子さん方と
接する中で、
確かにそれは存在する。
素質は十二分にあるのに
心が硬い人、
言い換えれば
素直でない人は、
その好機を自ら逃してしまう。
非常に残念なことである。
心のあり方、
心が柔軟になるまで
指導者は待たねばいけない。
それは必ずや、
技にも表れてくるものだ。
一方で、
常に心が柔軟で
素直な人は、
師範の全てを学ぼうとする。
従って、入門して
早い段階で
師範と氣を合わせることができ、
啐啄同時となるのだ。
今現在も
今がその絶好の瞬間、
まさにこの時期という
お弟子さんが数名いる。
さあ、
その調子で、
その氣を出し続けて
天地の大道を
ともに歩んで参りましょう。
ともに歩める
お弟子さんこそが尊い。
心から感謝いたします。
「ありがとう」
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
道場長 拝