今日の一言 2025-09-22 (月)

道場長の一日一心 " その昔、追いはぎが出ると怖れられた坂道。見えない先に氣を配る。暗闇坂編 "

今朝も目覚めることができた。

ありがとう。

 

今週も宜しくお願いいたします。

 

 

 

本日は、二十四節氣

白露【はくろ】末候

 

七十二候

第四十五候 玄鳥去(つばめさる)

「玄鳥去」は9月18日~22日頃。

 春先に日本にやってきたツバメが、子育てを終えて、南へと帰っていく頃。

 

 

 

 

 

 今日の " 道場長の一日一心 " 

『 その むかし、おいはぎ が でる と おそれ ら れた さかみち。みえ ない さき に き を くば る。くらやみざか へん  』

 

 

 

 

今夏の東京出張は

主に麻布台にある道場で稽古をしました。

 

 

道場へ向かう道すがら、

私はよく元麻布にある「暗闇坂」を通りました。

 

 

 

この麻布十番周辺は

江戸から続く

由緒ある坂道がたくさん点在する場所です。

 

 

 

 

元麻布の

「 暗闇坂 くらやみざか 」は、

その名の通り、

 

かつては

昼間でも暗いほど

 

木々が鬱蒼と茂っていた

ことから名付けられた歴史ある坂です。

 

 

 

" 由来と歴史 " 

 

 

 

坂名の由来は、

樹木が覆いかぶさるように生い茂り、

 

昼間でも

見通しが悪く暗かったことにあるそうです。

 

 

 

​昔の宮村町を通っていたことから、

「宮村坂」とも呼ばれていたそうです。

 

 

 

また、

 

その暗さから

幽霊や妖怪の伝説も生まれ、

 

「幽霊坂」とも

呼ばれることがあり、

 

 

 

 

" 幽霊 " や " 追い剥ぎ " が出ると言われ、

人々から恐れられていました。

 

 

実際に

追い剥ぎなどが現れる

 

物騒な

場所でもあったと伝えられています。

 

 

 

追い剥ぎ(おいはぎ)とは、

人氣のない道で通行人を捕まえ、

 

着ている衣類や持ち物、金銭などを

強奪する盗賊・強盗のことを指します。

 

 

 

そのような言い伝えがある

「暗闇坂」も現在では、

 

周囲の宅地開発や

マンション建設が進み、

 

かつてのような鬱蒼とした

雰囲氣は失われ、

明るく整備された坂になっています。

 

 

急な坂の途中には

レンガ造りの美しい

オーストリア大使館があります。

 

 

 

坂を上りきると、

「一本松坂」、「大黒坂」、「狸坂」といった

他の坂と合流する地点に出ます。

 

 

 

「暗闇坂」は、

その名前の由来や、

かつての不氣味な伝説とは裏腹に、

 

現在は都心の閑静な高級住宅街を

つなぐ坂として、

 

元麻布の街の雰囲氣を象徴する

存在となっていますね。

 

 

 

 

 

" 麻布台道場へ向かう道、

元麻布「暗闇坂」の教え "

 

 

 

先人たちは

この真っ暗闇な坂で

 

見えない先に氣を配り、

時には危険な人物に

 

遭遇することに身構えながらも、

一歩一歩進んでいく。

 

 

 

それは

まさに現代の合氣道の稽古に通じます。

 

 

 

「目に見えるものばかりを追うな」

 

師からいただいた

この言葉を、

 

私はこの坂道を通るたびに

思い出します。

 

 

 

相手の動きの

表面だけを追うのではなく、

 

その奥にある

「氣」を感じ取り、先を読む。

 

 

 

暗闇の中で

五感を研ぎ澄ませて歩くように、

 

私たちは合氣道を通して、

見えない「氣」を感じ取る稽古をしています。

 

 

 

幸い、

現代ではこの坂道は整備され、

今は明るく見通しの良い坂道です。

 

 

時代の変化とともに形は変わっても、

その本質は変わりません。

 

 

合氣道もまた、

技や形は進化しても、

 

その精神は何も変わらない、

僭越ですが、私はそう思っています。

 

 

 

 

​次の東京出張もまた、

この坂を上り、

お弟子さんと共に稽古に励むことでしょう。

 

 

 

そして、

私たちの

江戸時代から続く由緒ある坂道巡りは

まだまだ続きます。

 

 

 

過去の坂巡りのエントリーはコチラから

↓↓↓

雁木坂

中坂

檜坂

狸坂

冬青木坂

七面坂

二合半坂

狸穴坂

 

 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

兵庫県合氣道連盟

合氣道琴心館寺崎道場

道場長 拝