今日の一言 2026-04-27 (月)
道場長の一日一心 " 若者の可能性を摘まないために。霜止出苗に学ぶ指導者の「待つ」修行 "
今朝も目覚めることができた。
ありがとう。
今週もよろしくお願いします。
本日は、二十四節氣
穀雨【こくう】次候
七十二候
第十七候 霜止出苗【しもやんでなえいずる】
4月25日~29日ごろ。
春の暖かな陽氣によって、ようやく霜が降りなくなり、稲の苗が健やかに育ち始めるころ。
今日の " 道場長の一日一心 "
『 わかもの の かのうせい を つまない ために。しもやみてなえいずる に まなぶ しどうしゃ の「まつ」しゅぎょう 』
季節は、
霜の心配がなくなる時期を迎えました。
ふと、
思い出すことがございます。
わが家の娘たちが、
まだ小さかったころのことです。
食べものへの感謝の心を
育むために、
ある農家で無農薬のお米作りを
田植えから収穫まで、
お手伝いしたことがございました。
その農家の方から
直接伺ったのが
まさにこの時期の苗のお話です。
農家の方々にとって、
春先のこの苗の管理というものは、
片時も氣の抜けない
一大事であると教わりました。
古くから、
「苗代半作(なわしろはんさく)」
という言葉があります。
手塩にかけて育てた苗が
無事に育つかどうか、
お米の出来栄えの半分は
この苗作りの段階で
すでに決まってしまうという意味です。
私が主宰する
合氣道琴心館寺崎道場には
たくさんの中高生や、
十代、二十代の若者が所属しております。
道場で
彼ら、彼女らの真剣な眼差しを
見るにつけ、
この「苗代半作」という言葉が
深く、私の胸に響きます。
彼らはまさに今、
人生における「苗代」の時期です。
人間としての土台を作る
極めて大事な、
かけがえのない時を過ごしています。
早く上達してほしい。
もっと立派になってほしい。
そう願うあまりに
私自身が焦ってしまっては
いけないのだと、
強く自分に言い聞かせております。
成長を急かし
無理に苗を引き抜こうとすれば、
か弱い根は切れ、
たちまち枯れてしまいます。
教える側の
功焦り(こうあせり)が、
彼らの可能性を
摘んでしまうことのないよう、
「待つ」こともまた、
私自身に課せられた修行でありまする。
私がなすべきことは
彼らが自らの力で
しっかりと大地に根を張れるよう、
道場という土壌を豊かに保つこと。
冷え込む朝には風をよけ、
暖かな日差しのもとで
ただ静かに、
その僅かな成長を慈しみ守ること。
いつか彼らが
道場という苗代から
社会という広い大地へと移り、
しっかりと根を張る時が来ます。
しかし、そこでご縁が
途切れるわけではございません。
やがて、
彼らが立派な社会人になっても、
この合氣道という道を通じて
生涯、ともに学び、
成長し合える関係でありたいと
私は、心から願っております。
その豊かな未来へと
繋ぐために、
今という、
大切な土台作りの時期を、
師範として責任を持って、
焦らず静かに
見守りながら
共にあゆんでまいりまする。
――――――――――――――――――――――――
合氣道琴心館寺崎道場が大切にしているのは、
ただ技を極めることではありません。
日々の生活に活きる
「揺るぎない自己の確立」をはかり、
「社会という大地にしっかりと根を張り、他者を支える生き方」を
ともに探究していくことです。
自然の理(ことわり)や
日々の稽古を通じた氣づきを
この道場長ブログ
『ぼくらの合氣道』でも発信しております。
より健やかな生き方、
良好な対人関係の築き方など
現代の暮らしに活かすヒントが
ここにあるかもしれません。
ぜひバックナンバーもご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
兵庫県合氣道連盟
合氣道琴心館寺崎道場
道場長 拝