今日の一言 2026-01-26 (月)

道場長の一日一心 " ​大きな玉ねぎの下で、日本女子と話した「才能」のこと "

今朝目覚めることができた。

ありがとう。

 

 

今週もよろしくお願いします。

 

 

 

本日は、二十四節氣

大寒(だいかん)次候

 

七十二候

第七十一候 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)

1月25~29日ごろ。

沢の水さえも厚く張りつめ凍る、もっとも寒いころ。

 

 

 

 

 

今日の " 道場長の一日一心 " 

『 ​​おおき な たまねぎ の した で 、にほん じょし と はな し た「さいのう」の こと 』

 

 

 

 

 

毎朝3時に起き、

静寂の中でこのブログを書くのが

私の日課です。

 

 

 

万物が眠る

静寂(しじま)の中、

脳裏をよぎる断片を書き留める。

 

 

 

この「朝活(あさかつ)」

とも呼べる

「執筆行(しっぴつぎょう)」は、

 

私にとって

道場での稽古と同じくらい大切な、

心の整頓の時間でもあります。

 

 

 

今朝、

スマホに向かう私の脳裏に、

 

ふと

ある女性のお弟子さんの顔が

浮かびました。

 

 

 

その顔を思い浮かべると、

記憶は昨年の夏の東京出張へと遡ります。

 

 

 

 

​その東京出張の際、

 

私はできる限り多くのお弟子さんと

コミュニケーションを取りたいと思い、

 

稽古の時間以外でも

多くのお弟子さんと

触れ合う時間を作っていました。

 

 

 

ある晩、

件(くだん)の日本女子と

 

江戸の風情が残る

歴史ある地、

 

新宿区神楽坂の

焼き鳥屋へ行きました。

 

 

 

稽古後の心地よい疲労感と、

美味しい焼き鳥に会話も弾み、

 

氣づけば

少しお酒も進んでいました。

 

 

 

「少し夜風に当たって酔いを覚ましましょう」

 

そう提案して、

北の丸公園付近へ向かい、

 

早稲田通りを靖国神社方面へと

歩き始めました。

 

 

道中、

その日本女子の口から出るのは

やはり合氣道の質問ばかり。

 

 

「正面打ち一教で腕の返しがうまくいかない」

 

「呼吸動作の呼吸力がまだ掴めない」

 

 

 

本当に真面目な方で、

私はこのようなお弟子さんを

持てたことを「ありがたく」思います。

 

 

 

靖国通りをまたぐ

歩道橋の上に差し掛かったときでした。

 

 

 

 

夜空に浮かび上がるように、

 

日本武道館の屋根の上の

玉ねぎのような形をした擬宝珠(ぎぼし)が

美しくライトアップされていました。

 

 

 

いつもこれを見ると、

つい口ずさみたくなってしまいます。

 

 

​「あの~大きな~玉ねぎ~の下で~」とか

「九段下の~駅を降りて〜坂道を~」

「千鳥ヶ淵〜月の水面振り向けば〜」

「澄んだ空に〜光るたまねぎ〜」とか。

 

 

そう、

まさに爆風スランプ

サンプラザ中野くんが歌う

名曲の世界ですね。

 

 

この名曲は

多くの人がカバーしていますが、

 

私は佐々木真央さんがカバーした

大きな玉ねぎの下で が大好きです。

 

 

 

話を元に戻すと、

 

 

間近で見上げるその光景は、

私たち武道に関わる人間にとって

特別なものであり、

 

同時にどこか

センチメンタルな

氣持ちにさせる場所でもあります。

 

 

 

 

​私がこの「光る玉ねぎ」を見つめながら

感慨にふけっていると、

 

隣でその日本女子がふと、

独り言のように呟きました。

 

 

 

 

「先生……あの子は頭もいいし、話も上手。

おまけに見た目も華やかで、

道場でも人気者ですよね。

天は二物を与えずって言いますけど、

三つも与えちゃってる」

 

 

 

その日本女子の視線は、

輝く武道館に向けられたまま動きません。

 

 

 

 

​「あおりを食って、

私なんかひとつも無しですよ。

お天道さまも依怙贔屓(えこひいき)

するんだなぁ」

 

 

 

 

彼女は誰かと自分を比べ、

自分には

「利点」がないと嘆いているようでした。

 

 

 

 

私は、

この日本女子の少し寂しげな

横顔を見て、古い友人の話をしました。

 

 

 

「私の友人にね、

ごく普通の会社員をしている男がいてな、

背は低いし、髪も薄いねん。

決して男前とは言えないけど、

なぜか不思議と人を惹きつけ、

愛される男なんよ」

 

 

 

​彼は誰かが嫌がるような

面倒な仕事を

『僕がやるよ』と笑顔で引き受けたり、

 

人が見ていないところでも

手を抜かずに働く。

 

 

 

派手な主役タイプではないけれど、

彼がいるだけで場が和むような、

 

温かい

『陽だまり』のような魅力を持ってんねん。

 

 

 

だからこそ、

彼の中身に惚れ込んだ

 

素晴らしいパートナーと結ばれて、

幸せな家庭を築いてる。

 

 

​「 " 容姿 " というのは、

あくまで親から借りた器に過ぎない。

でも " 雰囲氣 " というのは、

その人自身の魂が作り出すものやで」

 

 

 

 

造作が

整っているかどうかよりも、

 

その人がどんな言葉を選び、

どんな所作で動くか。

 

その積み重ねが、

人を包み込むようなオーラとなって現れます。

 

 

 

​「ココ・シャネルの言葉にもあるやん、

『20歳の顔は自然の贈り物。

50歳の顔はあなたの功績』だと」。

 

 

 

どんなに美しい器も、

中身が空っぽなら歳月と共に色褪せる。

 

 

けれど、

君のように悩み、

もがきながらも稽古を続け、

 

自分を磨いてきた

人間の顔には、

 

化粧では作れない

『深み』が刻まれるんやで」

 

 

 

 

​私は、

歩道橋の上で彼女に向き直り、

こう続けました。

 

 

「天は二物を与えず。

仮にやで、もし君に、

派手な才能や美貌が

与えられていないとしても、

君にはもっと

凄いものが与えられているやん」

 

 

​それは、

「負けじ魂」といった

単純な言葉では表せない、

 

 

 

「泥臭くとも、

地を踏みしめて前へ進む

『愚直な強さ』だ」

 

 

 

華麗に空を舞う

才能はなくとも、

 

地を這ってでも

目的地へ向かう足腰の強さ。

 

 

 

何度転んでも、

土を払ってまた歩き出す、

 

その

「胆力(たんりょく)」こそが、

天が君に授けた最強のギフトです。

 

 

 

 

合氣道で

最も大切なのは、

 

相手と争って勝つことではなく、

昨日の自分より一歩前へ進むこと。

 

 

 

​あの「大きな玉ねぎ」の下で、

彼女は少し涙ぐんでいるように

見えましたが、

 

その瞳には

武道館の光よりも

強い意志が宿っていました。

 

 

 

 

まだ

夜明け前、暁(あかつき)の朝。

 

 

 

その静寂の中で、今、改めて思います。

 

 

 

​華やかさがなくてもいい。

 

 

 

不器用でも、

愚直に歩みを止めない

 

この日本女子の生き方こそが、

私は誰よりも美しいと思うのです。

 

 

 

 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

兵庫県合氣道連盟

合氣道琴心館寺崎道場

道場長 拝