今日の一言 2025-12-03 (水)
道場長の一日一心 " 【警告】「自分は大丈夫」が生む致命的な危機管理の隙 "
今朝も目覚めることができた。
ありがとう。
本日は、二十四節氣
小雪【しょうせつ】末候
七十二候
第六十候 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)
12月2日~6日ごろ。
橘の実がだんだん黄色く色づき始めるころ。
今日の " 道場長の一日一心 "
『 【けいこく】 「じぷん は だいじょうぶ」が うむ ちめいてき な ききかんり の すき 』
"「平和ボケ」が招く危機管理の欠如。道場長が説く「心の隙」"
昨日、
外出のため
自宅マンションのエレベーターに乗りました。
先に乗っていた一人の女性は、
扉が開いて私が乗り込んでも、
こちらに目を向けることはありません。
彼女の意識は、
手のひらの中の
小さな画面に完全に奪われていました。
どうやら、
スマホに文字を打ち込むことに
熱中しているようでした。
誰もが利用するエレベーター。
たった数秒間、逃げ場のない密室となります。
もし私が、
最悪な人間だったら
どうするつもりだったのでしょうか?
そこにあるのは、
現代社会において致命的とも言える
「危機管理意識の欠如」です。
「自分に限って事件や事故など起こらない」
という 油断 の中にいるのでしょう。
これが、
私たちが一番警戒すべき
「心の隙」になってしまうのです。
合氣道の教えの中に、
「残心(ざんしん)」という言葉があります。
これは、
相手を投げ終わった後でも、
相手に氣を向け、
油断せず、
相手や周囲に意識を配る
「心の余裕」を持つことです。
日常において、
「常に周囲を疑え」と言っているのではありません。
しかし、
自分の命や安全を守るためには、
エレベーターの扉が開いた瞬間に、
顔を上げて一瞬でも、相手を見て確認すること。
ときどき
スマホから視線を外し、
周囲の状況をチラッと確認すること。
たったこれだけのことが、
立派な日常の危機管理となり、
あなた自身の安全を守る結界になります。
道場での「残心」の稽古は、
日常生活における
究極の危機管理であると言えるでしょう。
" 日常の「危機管理」に役立つ具体的な方法 "
普段の生活の中で、
少し意識を変えるだけで
安全性が高まる
具体的な行動をいくつかご紹介しましょう。
1. エレベーター内での立ち位置
エレベーターに乗る際は、
できる限り
操作盤の近くに立つように心がけましょう。
これにより、
もしもの時に緊急ボタンを押す、
あるいは全ての階のボタンを押すなどの
行動が取りやすくなります。
また、
人間は真後ろは見えません。
人に対して背中を見せず、
やや斜め方向に立ち、
常に他者の状況が目に収まるようにしましょう。
2. 「目と耳を盗まれる」行動を避ける
歩行中、
スマートフォンを操作したり、
イヤホンで音楽を聴いたりすることは、
自分の目と耳という
二つの重要な警戒器官を
停止させているのと同じです。
特に
夜道や人通りの少ない場所では、
目と耳は解放しておきましょう。
これは、重要な「危機管理の鉄則」です。
3. 鍵を出すタイミング
自宅に到着してから
バッグの中を探して鍵を出す行為は、
最も 無防備 な時間帯を作ってしまいます。
家や車の扉に近づく前に、
必ず鍵を手に握っておく。
この小さな準備が、
不審者に「隙がない」と
思わせる重要な要素となります。
4. 視線の使い方
向かってくる人に対し、
不必要に目をそらさず、
軽く 一瞥(いちべつ)する習慣 をつけましょう。
これは
「あなたを認識している」という意思表示です。
犯罪者は、
自分の存在を意識していない相手を狙います。
自分自身の日常の中に、
危機管理上の「心の隙」がないか、
今一度チェックしてみましょう。
安全は、
誰かが与えてくれるものではなく、
自ら守り育むものです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
兵庫県合氣道連盟
合氣道琴心館寺崎道場
道場長 拝