今日の一言 2025-10-23 (木)
道場長の一日一心 " 一つを励み、究めれば、すべてが変わる "
今朝も目覚めることができた。
ありがとう。
本日は、二十四節氣
霜降【そうこう】初候
七十二候
第五十二候 霜始降花(しもはじめてふる)
10月23日~10月27日頃。
だんだんと北国や山間部で霜が降り始める頃。
今日の " 道場長の一日一心 "
『 ひとつ を はげ み、きわめ れ ば、すべて が かわ る 』
「あれも覚えなさい。この技も間違わずにやりなさい。」
指導者育成はそうであっても、
一般のお弟子さんに、
私がそう指導したら、
「そんなにたくさんできません」と
諦めてしまう人や、
やるにはやるけれども、
どれも中途半端に終わってしまう人も
いると思います。
合氣道の稽古においても、
人生の学びにおいても、
この
「すべてやろうとして、何も身につかない」
という現象は
往々にして起こります。
私は、
長年の師範としての経験から、
そして自身の継続的な実践から、
この問題に対する
明確な答えを見つけました。
それは、
「一つを励み究めれば、すべてが変わる」
という真理です。
" 一点を深掘りすることの驚くべき効果 "
あれもこれもしようとして、
どれも中途半端に終わるくらいなら
「これならやれる」
「これをとことんやってやろう」
というものを一つ選んで、
それを徹底して
やり込むように
お弟子さんに指導します。
但し、
それは一般のお弟子さんに対する
指導方です。
一方で、
指導者育成は
あらゆる分野を同時進行で
一つも抜けることなく
奥深く追求し、
自分のものになるよう
稽古を続けます。
ここに
一般のお弟子さん向けの稽古と
指導者育成稽古の
大きな違いがあるのです。
話を元に戻します。
「この技だけは誰にも負けない」と
心から思えるくらい、
一つの技を深掘りしてみる。
それを実践し続ける。
不思議なことに、
この「一点集中」を
徹底してやるうちに、
次のような変化が
起こり始めるのです。
一つ、集中の深化
選んだ一つを深く追求する過程で、
真の集中力が養われます。
二つ、学びのコツの体得
その分野における本質や、
効率的な上達の
「型」が自然と身につきます。
三つ、自信の確立
「一つを究めた」という
揺るぎない自信が、
他のすべてへの挑戦の土台になります。
やがて、
その深掘りした
学びのコツが横展開され、
以前は難易度が高すぎると
感じていた他の技まで、
驚くほどスムーズに
できるようになるのです。
学びの本質を知り、
自信がついたからこそ、
次の新たな挑戦が可能になるのです。
" 継続が人生を豊かにする "
私自身の人生もまた、
「一点集中」
によって劇的に変化しました。
今から二年半ほど前、
私は「道場長の一日一心」という
このブログの制作を始めました。
月曜から金曜の平日、
午前三時から一日も欠かさず、
書き続けています。
朝三時に起きて書き始め、
ひたすら推敲に推敲を重ね、
その日の「一心」を文章にする。
また、
合氣道琴心館寺崎道場の会員向けに
毎月、会報誌
「ぼくらの合氣道」を発行しています。
どちらも
決して、簡単な作業ではありません。
手を抜くこともいたしませぬ。
全身全霊でその文章に
魂を注ぎ込みます。
毎日の睡眠は四時間弱、
当然、命が削られます。
しかし、
心は晴れ晴れとするのです。
そして、
この道場長ブログと会報誌を
継続するうちに、
私自身の人生が
大きく変わってきたと実感しています。
特に大きいのは
「氣づく力」が育てられたことです。
毎日の題材探しをするうち、
「今日は何を書こうか」と
意識を研ぎ澄まし、
日常のささいな出来事や
稽古の一瞬一瞬を
深く見つめる習慣がつきました。
その結果、
「氣づく力」が育ち、
見るもの聞くこと
すべてが興味深くなりました。
人生とは、
「氣づき」の連続です。
その「氣づき」が増えるほど、
人生は豊かで楽しくなる。
これは、
一つのことを徹底して
継続したからこそ得られた、
天地からの最大の恩恵です。
合氣道の稽古であれ、
仕事であれ、趣味であれ、
「あれもこれもしなきゃ」と
焦る必要はないと思います。
まずは、
心から「これだ」と思える
一つを見つけ、
それを
誰にも負けないくらい
徹底的にやり込んでみてください。
その一つを究めることこそが、
自身の人生すべてを、
想像もしなかった
豊かなものへと
変えていく鍵となるのですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
兵庫県合氣道連盟
合氣道琴心館寺崎道場
道場長 拝