今日の一言 2025-07-02 (水)
道場長の一日一心 " 稽古でわかる、あなたの「わがまま心」 "
今朝も目覚めることができた。
ありがとう。
本日は、二十四節氣
夏至【げし】末候
七十二候
第三十候 半夏生【はんげしょうず】
「夏至」は末候へと移りました。「半夏生」は7月1日~6日ころにあたります。
「半夏(はんげ)」という薬草が生え始める頃のことで、この頃までに田植えを終える目安とされてきました。
今日の道場長の一日一心
『 けいこ で わか る、あなた の「わがまま ごころ」 』
生きていく上で、私たちは
「心地良い暮らし」 や 「便利な世の中」 、
そして「快適さ」を求めます。
それは誰もが望むものだと思います。
さはさりながら、
その「快適さ」への「こだわり」が過ぎると、
私たちは、
知らず知らずのうちに
自分自身に蓋をしてしまうことがあります。
たとえば、
" 聞きたくないものは聞かない " 。
" 自分と合わない人とは会わない " 。
" 見たくないものは見ない " … 。
もし、
世の中がそんなに都合良く回るなら、
それはそれで良いと思いますが、
世の中、
決してそんな都合の良いものでは
ございませぬ。
無人島にでも行って、誰にも会わず、
たった一人で暮らすというなら話は別ですが…。
しかし、
人間は一人では生きていけません。
私たちは、
互いに「助け」、「助け合い」ながら
生きています。
自分の思い通りにならないことの方が
圧倒的に多いのが現実です。
それが、世の中です。
それなのに、
自分の「心の弱さ」から目を背け、
他人や環境のせいにして、
挙句の果てには
「聞かなくていい」「見なくていい」と、
自分を正当化してしまう。
もし、
そんな人ばかりになってしまったら、
この世はどうなってしまうのでしょうか。
心の弱さを露呈した
「わがまま」、「氣まま」、「傲慢」な
人間ばかりになってしまうことは
想像に難くありません。
"「貪欲」という心の迷い "
お釈迦様は、
「貪欲」を人間の迷いの一つと説かれました。
私たちは、
他人と自分を比較し、
より良い暮らしを「貪欲」に
求めすぎてはいないでしょうか?
「便利」なもの、
「快適」なものに慣れすぎた結果、
少しでも
「不快」なものを排除しようとする
不寛容さが「怒り」へと繋がってはいないでしょうか?
自分の好きなもの、
興味のあるもの以外には、
知ろうとせず、関わろうとしない。
そんな自分の「無知な愚かさ」に、
目をつぶってはいませんか?
心の「平穏」は、
外界の都合の良い状況によって
もたらされるものではありません。
お釈迦様は、
自分の外側に目を向けるのではなく、
「内側」に眠っている「宝」に氣づくことで、
これらの「迷い」に打ち勝てると説いています。
" 合氣道の稽古は心の鏡、自分と向き合う時間 "
合氣道の稽古もまた、
この「心の鍛錬」に通じます。
私たちは道場で、
自分の思い通りにならないこと、
時には不快に感じることも経験します。
特に、
わがまま、氣まま、傲慢な心を持つ人は、
稽古の中で
その傾向が顕著に出ることがあります。
「相手に持たせた手が痛い」
「投げるときに重い」
「関節技は痛くて嫌だ」…
などといった言葉は、その典型です。
時に女性に多く見られる傾向ですが、
これは自分の
「鍛錬不足」や「稽古不足」、「経験不足」、
そして全く「成長していない自分」に
氣づいていない証拠に他なりません。
考えてみてください。
手が痛いと感じるなら、
それは自分が「力んでいる」からです。
自分が「力んでいる」から、相手も「力む」のです。
自分が力を抜けば痛みは軽減します。
それは、
相手にしてみれば、
一切、力みのない人の手を持つ時、
力いっぱい持つ必要がなくなるからです。
投げるときに「重い」と感じるのは、
自分の「中心がぶれている」からであり、
相手の重さに頼りすぎているからです。
関節技は、そもそも痛みを伴うものです。
それを「嫌だ」と拒絶したり、
相手のせいにすることは、
自身の成長の機会を「放棄」しているのと
同じことです。
そもそも、
自分の成長の機会を放棄するなら、
道場に来ることも必要ないことなのです。
一体、
このような人たちは、
何が目的で、何がしたくて合氣道の稽古をするのか?
私には理解不能でございます。
合氣道はあなた一人でできるものではありません。
相手がいて初めて成り立つものです。
相手のせいにするのではなく、
自身の内面に目を向け、
なぜそう感じるのか、
どうすれば改善できるのかを考えること。
これこそが、
合氣道の稽古を通じて得られる
「心の鍛錬」なのです。
" 快適さの先にある「心の豊かさ」"
私たちは快適さを追求するあまり、
時に大切なものを見失いがちです。
「不便さ」の中に、
「不快な」感情の中に、
そして自分にとって
「都合の悪い」状況の中にこそ、
私たちを「成長」させる「ヒント」が
隠されています。
自分の内なる声に耳を傾け、
心の奥底に眠る「宝」に氣づくこと。
それが、真の心の豊かさへの道です。
最後にもう一度、まとめます。
* 快適さは時に心の成長を阻む。
* 「貪欲」は人間関係や心の平穏を乱す。
* 不寛容さや無知は「怒り」や「愚かさ」に繋がる。
* 稽古は自分の心の状態を映し出す鏡である。
* 真の豊かさは、自分の内面と向き合い、成長することで得られる。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
兵庫県合氣道連盟
合氣道琴心館寺崎道場
道場長 拝