今日の一言 2025-04-15 (火)

道場長の一日一心 " 誰もが皆、師という役割を背負っている "

今朝も目覚めることができた、

ありがとう。

 

 

本日は、

二十四節氣 清明 ( せいめい ) ・末候

 

七十二候 

虹始見 にじはじめてあらわる

 

第十五候

「清明」は次候から末候へと移りました。「虹始見」は4月14日~18日ごろに相当します。

春が深まり、空氣中の湿度が高まるにつれて、雨上がりに虹が見られる機会が増えることを示しています。

 

 

 

 

 

今日のお題

 

 

 

 

『 だれ も が みな、し という やくわり を せおって いる 』

 

 

 

 

「故 (ふる) きを温 (たず) ねて新しきを知る、以 (も) って師と為 (な) るべし」

 

これは、

『論語』に出てくる誰もが知る名言ですね。

 

 

 

" 過去の事柄や知識を深く学び、

理解することによって、

新しい事柄や知識を

より深く理解することができる。

そうすることで、人は他の人を

教え導くことができるようになる " 

 

 

過去の学びを土台として、

現在や未来を理解し、

さらにそれを人に伝えることが

できるようになるという、

学びの深化と発展の重要性を

説いた言葉と言えます。

 

 

 

 

江戸時代中期、

" 石門心学 " を確立し、

商人たちの精神的な支柱となった

思想家・石田梅岩。

 

 

彼の「温故知新」の解釈は、

私たちが人を導く「師」となるための

深い示唆を与えてくれます。

 

 

 

石田梅岩が語る「温故知新」とは。

 

 

 

単に、古い知識を学び

新しい知識を得るという

表面的な意味で捉えていませんでした。

 

 

彼はこう語ります。

 

 

「 " 温故 " とは、師から教わり学ぶこと。

" 知新 " とは、自分で工夫考案して

新しいことを発明することだ。

発明ができたということは、

学んできたことが、

すっかり身に付いたということになる。

そのようになれば、

如何なる問題にも

応じることが出来るようになるから、

窮するということがなくなるのだ。

これを以て師となることができるのだ。」

 

 

 

石田梅岩にとって

 

「温故」は、先人や師から教えられた

知識や知恵をしっかりと身につけること。

 

「知新」は、その学びを土台として、

自ら考え、工夫し、新しい価値を生み出す

創造的な行為を指します。

 

 

そして、真に学びが身についたとき、

人はどのような問題にも

対応できる力を得て、

初めて「師」となりうると説いているのです。

 

 

 

 

「師」とは特別な存在だけではありません。

 

 

 

 

「師」という言葉を聞くと、

学校の先生や医師、

また何か特別な能力や技能を持つ

特定の職業に就いている人を

思い浮かべるかもしれません。

 

 

もちろん、

そうした人々も

「師」であることは間違いありません。

 

 

 

しかし、

石田梅岩が示唆するように、

人を導く立場にいるすべての人々が

「師」としての役割を

担うべきであると思うのです。

 

 

 

 

たとえば、

武道の稽古場を考えてみましょう。

 

 

私が主宰する

合氣道琴心館寺崎道場では、

「先輩」が「後輩」に

技を教えるのは日常的な光景です。

 

子どもクラスでも

それは例外ではありません。

 

「上の級」の子どもが

「下の級」の子どもに、

「年上」の子どもが

「年下」の子どもに、丁寧に指導します。

 

 

「教える側」の子どもは、

教えることを通して

相手を思いやる心を育み、責任感を学びます。

 

一方、「教えられる側」の子どもは、

先輩や年上の子を

尊敬する心を自然と身につけます。

 

 

そして、今まさに

「教えられている」新しい入門者も、

いずれは「教える立場」に立つ日が来るのです。

 

 

 

 

家庭や職場にも存在する「師」の役割。

 

 

 

 

家庭における父母、

職場における上司もまた、

「師」としての重要な役割を担っています。

 

 

「親」は「子」を養い育て、

人間としての基本的な規範や

人格形成の基礎を教え、

社会で生きていくための教養を身につけさせます。

 

 

「上司」は「部下」に対し、

仕事に必要な知識や技術だけでなく、

社会人としての心構えや成長の機会を与え、

一人前の職業人として育成します。

 

 

 

 

このように考えると、

 

「師」とは決して特別な肩書を持つ人だけではありません。

 

 

 

私たちは、

日々の生活の中で、

誰かの成長を助け、

導く存在になり得るのです。

 

 

 

「温故知新」を心に、人を育てる。

 

 

 

石田梅岩の言葉を改めて心に刻み、

私たち一人ひとりが

「温故知新」の精神を大切にすることが、

 

人を育て、社会をより良くしていく

力になるのではないでしょうか。

 

 

 

 

過去の学びを深く理解し、

そこから新しい価値を

生み出す努力を続けること。

 

そして、

その経験と知識をもって、

周りの人々を温かく導いていくこと。

 

 

 

今一度、

「温故知新」に真摯に向き合い、

 

私たち自身の成長とともに、

次世代を育む意識を

高めていきたいものです。

 

 

 

それぞれが、それぞれの場所で

「師」としての輝きを

増していくことができれば…

 

そう願うのでありまする。

 

 

 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

兵庫県合氣道連盟

合氣道琴心館寺崎道場

道場長 拝