今日の一言 2025-04-11 (金) ~ 2025-04-13 (日)
道場長の一日一心 " 桜が教えてくれる人生のうつろい "
今朝も目覚めることができた、
ありがとう。
本日は、
二十四節氣 清明 ( せいめい ) ・次候
七十二候
鴻雁北 こうがんかえる
第十四候
「清明」は初候から次候へと移りました。「鴻雁北」は4月9日~13日ごろに相当します。
春の終わり頃に、冬を日本で過ごした雁(がん)が北の繁殖地へと帰っていく様子を指します。
今日のお題
『さくら が おしえ て くれ る じんせい の うつろい』
春の陽氣に誘われて、
今年も桜が美しく咲き誇りました。
淡いピンク色の花びらが風に舞う姿は、
何度見ても心を奪われますね。
しかし、
その華やかな時間は儚く、
あっという間に過ぎ去っていきます。
「散る桜 残る桜も 散る桜」
これは江戸時代の
禅僧、良寛 ( りょうかん )和尚の
句とされているそうです。
先に散っていく桜も、
今まさに咲き誇っている桜も、
いずれは必ず散ってしまう。
この世のすべてのものは
移ろいゆく、
万物は常に変化し
不変のものはないという
諸行無常 ( しょぎょうむじょう ) の真理を
桜に託した言葉ですね。
私たちの人生もまた、
この桜のようではないでしょうか。
輝かしい若さ、情熱的な出会い、富や財。
それらは
まるで満開の桜のように、
私たちの人生を彩ります。
しかし、
その輝きは永遠ではありません。
時間は流れ、状況は変わり、
いつか別れや終わりが訪れます。
今この瞬間が
どれほど満たされていても、
それもまた移ろいゆくもの。
その事実を受け入れるのは、
時に切なく、寂しいものです。
しかし、物語はそこで終わりませぬ。
「葉桜もまた美しい」
花びらが散った後、
桜の木は青々とした葉を茂らせます。
日差しを浴びて
力強く輝く葉桜の姿も、
また違った趣があり、
生命力にあふれていて美しいものです。
私たちの人生においても、
華やかな時期が過ぎ去った後にこそ、
見えてくる美しさがあります。
経験を重ね、
円熟味を増した落ち着き。
若い頃にはなかった
深い洞察力や、人に対する優しさ。
様々な出来事を
乗り越えてきたからこその、
内面からにじみ出る強さや豊かさ。
それは、
満開の桜とは異なる、
葉桜のような
滋味深い美しさではないでしょうか。
散りゆく桜に
人生の儚さや無常を感じ、
一抹の寂しさを覚える。
それもまた自然なことですね。
しかし同時に、
花が散った後の葉桜の姿にも
目を向けたいものです。
そこには、
次なる季節へ向かう力強い生命の営みと、
成熟した美しさがあります。
人生のどの瞬間も、
その時々にしかない
「輝き」と「価値」を持っています。
満開の桜の時期も、
そして葉桜の時期も、
どちらも等しく尊く、美しい。
桜のうつろいに人生を重ね、
変化を受け入れながら、
それぞれの季節を味わい深く
生きていきたいものですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
兵庫県合氣道連盟
合氣道琴心館寺崎道場
道場長 拝