今日の一言 2026-03-27 (金) ~ 2026-03-29 (日)
道場長の一日一心 " 夜の嵐山。五感を開けば人生が変わる。日常に活きる「氣の出し方」 "
今朝も目覚めることができた。
ありがとう。
本日は、二十四節氣
春分【しゅんぶん】次候
七十二候
第十一候 桜始開【さくらはじめてひらく】
3月25日~29日ごろ。
桜の花が咲くころ。
今日の " 道場長の一日一心 "
『 よる の あらしやま。ごかん を ひらけば、じんせい が かわる。 にちじょう に いかせる「き の だしかた」 』
日々の生活の中で、
ふと「氣」について
深く考える瞬間があります。
たとえば、
俳句の世界には、
題材を求めて出かける
「吟行(ぎんこう)」という
修行があるそうですが、
これを私たちの
「氣を出すこと」に
置き換えてみると、
ハッとさせられる
多くの氣づきがありました。
■ 五感を研ぎ澄ませ、氣を出す「吟行」
私たち
合氣道を志す者にとって、
道場の中だけが
稽古場ではありません。
私が主宰する
合氣道琴心館寺崎道場には
「江戸の坂道巡り同好会」があり、
東京へ赴いた際には、
江戸時代から続く
由緒ある坂道を歩くことを
習慣としています。
古(いにしえ)の情景に
思いを馳せ、
その土地が持つ
歴史や空氣感を肌で感じる。
実はこれこそが、
私にとっての
「氣の吟行」なのです。
もちろん
特別な場所へ行かずとも、
稽古前、
道場を掃き清めている時や、
日用品の買い出しで
街を歩いている時でさえ、
心持ち一つで
すべてが修練の場となります。
目や耳など
五感から入ってくる情報に
意識を向け、
自らの内側から
しっかりと「氣を出す」。
そうすることで、
周囲の環境と
心地よく
調和していく
感覚が得られるのです。
■ 闇夜の「桂川」が教えてくれた、自然の氣の偉大さ
ご縁があり
毎月のように足を運んでいる
京都でのことです。
先日、夜の嵐山を
訪れる機会がありました。
闇夜にほんのりと
ライトアップされ、
幻想的に
浮かび上がる「渡月橋」。
しかし、
私の五感を
強く惹きつけたのは、
その下を流れる
桂川の存在でした。
昼間の穏やかな
表情とは打って変わり、
深淵な暗闇の中で
うねりを上げ、
滔々(とうとう)と
途切れることなく流れる
圧倒的な水流。
目を閉じ、
冷たい夜風を
頬に受けながら、
その力強い水音と
自然のエネルギーに
意識を向けていると、
人智を超えた
自然の営みの
途方もない偉大さに、
ただただ
畏敬の念を抱くばかりでした。
自分の脳細胞から
ひねり出した
言葉やちっぽけな理屈など、
大自然の悠久の働き、
そしてそこに満ちる
途方もない「氣」に比べれば、
本当に
たかが知れています。
頭でこねくり回して
考えるのではなく、
ただ五感を開いて
自然の豊かな「氣」を感じ取り、
こちらも
「清々しい氣」を出すこと。
暗闇を貫いて流れる
桂川の力強い情景が、
大自然と
氣を交わすことの
尊さを無言のうちに
教えてくれた瞬間でした。
■ 「生憎」という言葉を手放す
俳人の世界では
よく
「生憎(あいにく)という言葉はない」と
言われるそうです。
雨が降れば
「これで雨の情景を詠める」と捉え、
月が雲に隠れれば
「無月を楽しむ」。
これはまさに、
合氣道における
「氣の転換」に通じる精神です。
私たちの歩む道にも、
「生憎」という言葉は
不要なのかもしれませんね。
困難や
思い通りにいかない出来事、
マイナスの要素すらも、
すべて己の
「氣」を練り上げ、
心を広げるための
糧と捉えることができます。
道友や
お弟子さんの中にも、
病や家庭の事情など、
様々なものを抱えながらも
前を向いて
ひたむきに
歩んでいる人がたくさんいます。
何をやっても
マイナス思考で、
暗い螺旋階段を
下りるように
生きていた人が、
合氣道と出合い、
「氣を出す」ことを
覚えた途端に、
物の見方が
全く変わり、
いきいきとした
人生を歩み始める。
実をいうと、
私自身も
この合氣道に
出合うまでは、
まさに
そのような人間でした。
物事を悪く捉え、
思い悩むばかりの
螺旋階段にいたのです。
しかし、
「氣を出す」ことを
師匠から教わり、
何の疑いもなく、
日々、それを実践して
今もこうして
天地大自然の氣に触れ、
天地と自分の心身を
一体させ、
調和させることで、
目の前の景色が
百八十度変わりました。
悲しみに直面し
落ち込んでいた人が、
仲間と「氣」を
通い合わせることで
立ち直っていく。
そうした例を
幾度となく
目にしてきましたし、
自らも身をもって
体感してきたのです。
本当に尊いものなのです。
物の見方を
百八十度変え、
人生を好転させていく。
これこそが、
「氣を出すこと」の持つ
本当の力ではないでしょうか。
今週もありがとうございました。
良い週末を。
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合氣道琴心館寺崎道場が
大切にしているのは、
ただ技を極めることではありません。
日々の生活の中で
五感を開き、
「心と身体の調和」を
はかりながら、
マイナスをも
プラスに転換する「氣」を育み、
「社会や周囲の人々の心に灯火を灯す生き方」を
ともに探求していくことです。
自然の理(ことわり)や
日々の稽古、
そして自ら氣を出すことで
得られた氣づきを、
この道場長ブログ
『ぼくらの合氣道』でも発信しております。
物の見方を百八十度変え、
より健やかな生き方、
良好な対人関係を
築くためのヒントが、
ここにあるかもしれません。
ぜひバックナンバーもご覧ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
兵庫県合氣道連盟
合氣道琴心館寺崎道場
道場長 拝