今日の一言 2025-12-26 (金) ~ 2025-12-28 (日)

道場長の一日一心 " ​「懐手して宇宙見物」 新しい自分に出会うための年末年始 "

今朝も目覚めることができた。

ありがとう。

 

 

本日は、二十四節氣

冬至【とうじ】次候

 

七十二候

第六十五候 麋角解(さわしかのつのおつる)

12月26日~30日ごろ。

雄の鹿の角が落ちるころ。

 

 

 

 

 

今日の " 道場長の一日一心 " 

『 ​「ふところで して うちゅう けんぶつ」 あたらし い じぶん に であ う ため の ねんまつ ねんし 』

 

 

 

 

 

" 順調な時こそ「心の蓋」を疑う "

 

 

クリスマスも終わり

一年の締めくくり、

皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

 

 

物事が順調に運び、

穏やかな年末を迎えている方も

多いかと思います。

 

 

 

しかし、

そんな時こそ、

 

実は「心の油断」が忍び寄る

時期でもあります。

 

 

 

平穏な日々が続くと、

私たちの脳は「今のままで十分だ」

という甘い囁きを始めます。

 

 

 

脳には、

変化を嫌い、

 

現状を維持しようとする

横着な性質があるからです。

 

 

 

 

「せっかく上手くいっているのだから、新しい挑戦などせず、このまま波風を立てずにいよう」と。

 

 

 

しかし、

そうして現状に安住し、

 

新しいことへの挑戦に「蓋」をした瞬間、

私たちの世界は途端に狭まり始めます。

 

 

 

 

一つ諦めるごとに

世界は一つ縮み、

 

やがて

その狭い視界だけが

「世界のすべて」だと思い込んでしまうのです。

 

 

 

 

​中国の故事に

「夜郎自大(やろうじだい)」

という言葉があります。

 

 

 

 

辺境の小国が、

強大な帝国の存在を知らずに

「自分たちが世界一だ」と威張っていた物語です。

 

 

 

 

自分の実力を過信し、

内側に閉じこもった時、

 

耳元では

「今のままで大丈夫だ」という

声が聞こえてきます。

 

 

 

 

しかし、

それは大海を知らぬ井戸の底で、

 

自分の声が

壁に跳ね返っているだけの

「こだま」に過ぎません。

 

 

 

 

果てしない大海に

身を置いていれば、

 

声は無限に広がり、

こだまなど返ってこないはず。

 

 

 

 

もし自分の内側に

安堵の声が響いていると感じたら、

 

「ああ、自分はまだ井の中の蛙だったな」

と思い直す。

 

 

 

その謙虚さこそが、

再び新しい世界へ

飛び出すためのエネルギーとなります。

 

 

 

 

 

​物理学者の寺田寅彦氏は、

次のような歌を残しました。

 

 

​好きなもの

イチゴ、珈琲、花、美人

懐手(ふところで)して宇宙見物

 

 

 

​この「懐手して宇宙見物」という

言葉が趣があっていいですね。

 

 

 

 

 

年末年始のひととき、

着物の懐に手を入れ、

ゆったりとした心で夜空を見上げる。

 

 

 

 

宇宙の圧倒的な

広大さに比べれば、

 

自分一人の成功も、

あるいは小さな行き詰まりも、

「小せえ、小せえ」と笑い飛ばせるはずです。

 

 

 

 

それくらいの

心に余裕があれば、

 

自分の小ささを素直に認め、

 

「よし、来年はあの広い海まで行ってみよう」と、

 

軽やかな心で

新しい一歩を

踏み出すことができるかもしれませんね。

 

 

 

 

" 順調な時ほど、意識して井戸の外へ "

 

 

 

 

一年を振り返り、

今の自分に満足しそうになったら、

宇宙の広さを思い出してみる。

 

 

 

合氣道琴心館寺崎道場

2025年の稽古も、

 

会員の皆さまのおかげで

実り多きものとなりました。

 

 

 

来る2026年が、

皆さまにとって

 

さらなる「挑戦」と

「発見」に満ちた、

 

素晴らしい年となることを

心より願っております。

 

 

それでは、

どうぞ素敵な年末年始をお過ごしください。

 

 

 

 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

兵庫県合氣道連盟

合氣道琴心館寺崎道場

道場長 拝