今日の一言 2025-12-23 (火)
道場長の一日一心 " 寝ていて人を起こすなかれ "
今朝も目覚めることができた。
ありがとう。
本日は、二十四節氣
冬至【とうじ】初候
七十二候
第六十四候 乃東生(なつかれくさしょうず)
12月21日~25日ごろ。
ウツボグサの芽が出てくるころ。
今日の " 道場長の一日一心 "
『 ね て い て ひと を おこ す なかれ 』
合氣道の技は、
相手を力でねじ伏せようとするほど、
相手も踏ん張り、
技がかからなくなることがあります。
これは日常生活でも同じです。
「どうして分かってくれないの?」
「もっとこうしてほしいのに」
そんなふうに、
相手を変えようと
躍起になってしまうことは
誰にでも少なからず経験はあると思います。
古くからの教えにこんな言葉があります。
「寝ていて人を起こすなかれ」
自分が布団の中で
ぬくぬくと眠ったまま、
子どもに
「早く起きなさい!」と声をかけても、
なかなか
説得力はありませんよね。
人を動かそうとする前に、
まずは自分自身がパッと目覚め、
立ち上がっているか。
それが何より大切です。
相手を「変えてやろう」と思うとき、
私たちの心には少しだけ
「おごり」や「甘え」が
混ざっていることがあります。
「自分は正しい、だから相手が変わるべきだ」
そんな強い氣持ちは、
相手に伝わると、
知らず知らずのうちに
心の反発を生んでしまいます。
合氣道では、
相手を投げようとする前に、
まず自分の姿勢を整え、
心が落ち着いているか確認します。
「子どもに対しても同じです」。
子どもの行動を
変えたいと願うなら、
まずは親である私たちが、
自分の考え方や接し方をふり返ってみる。
自分が変われば、
発する言葉の響きが変わり、
相手に伝わる「氣」の質が変わります。
" 自分が変われば、景色が変わる "
「外」に向かって
「変わりなさい!」と叫ぶのを
一度お休みして、
そのエネルギーを
「内側」に向けてみましょう。
相手を責める前に、
自分の心を穏やかに整える。
子どもを叱る前に
まず、自分自身の心が静まっているか確かめる。
親の心が静まり、
落ち着いた心身から発する言葉には
「愛」があります。
その言葉は
必ず子どもの心に届きます。
相手に求める前に、
自分が手本となって動いてみる。
自分を律し、自分を磨く。
その姿こそが、
何よりも強い説得力となって、
周りの人の心を動かします。
" 自分を変える勇氣が、幸せを呼ぶ "
自分を変えるということは、
ときに勇氣がいることです。
自分の至らなさを認め、
向き合うのは、
誰だって少し怖いものですよね。
けれど、
その壁を越えて、
自分から
一歩踏み出せたとき、
目の前の景色は
驚くほど優しく、
穏やかなものに変わります。
誰かの幸せを願い、
まず自分を律し、自分を磨くこと。
その「自分をいましめる心」が、
いつしか周りへの深い慈しみとなり、
結果として
自分自身をも
最高の幸せへと導いてくれるのです。
実は、
これまでお話ししたことはすべて、
私自身が悩み、もがき、
失敗を繰り返す中で、
身をもって経験し、
ようやく辿り着いた確信です。
私自身も、
まだまだ未熟者で修行中の身。
今日一日、
誰かに何かを求める前に、
まずは自分自身が
「自分が変わろうとしているか」を、
私と一緒に
問いかけてみませんか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
兵庫県合氣道連盟
合氣道琴心館寺崎道場
道場長 拝