今日の一言 2025-05-19 (月)
道場長の一日一心 " 一つの道を極めれば、必ずや光は見えてくる "
今朝も目覚めることができた。
ありがとう。
本日は、二十四節氣
立夏 ( りっか ) 末候
七十二候
第二十一候 竹笋生 たけのこしょうず
「立夏」は次候から末候へと移りました。
5月15日~20日ころにあたります。
「竹笋生」はタケノコが地上に顔を出す頃。
今日のお題
『 ひとつ の みち を きわめ れ ば、かならず や ひかり は みえ て くる 』
" 一つの真理を深く掴めば、おのずと万象に通じる "
私は、合氣道師範として、
多くのお弟子さんたちを見守る中で、
この言葉の重みを何度も感じてきたものです。
今日、語るのは、
一人の不器用な弟子の話です。
彼女は、技の飲み込みが人より遅く、
いつも焦燥感を抱えていました。
「先生、私は皆のように上手く動けません。やはり、この道は私には向いていないのでしょうか…」と、
当時は何度も不安を口にしていました。
しかし、
私は彼女の稽古への
真摯な眼差しを見逃しはしませんでした。
派手な動きは不得手かもしれませんが、
基本動作の一つ一つを、
誰よりも丁寧に、
そして深く掘り下げようとしていました。
" 受け身の際の身体の使い方 "
" 体捌きの際の重心の移動 "
" 呼吸法の際の臍下の一点への意識の集中 "
それらは、
単なる反復練習ではなく、
相手の氣、その流れを、
全身で感じ取ろうとする、
真剣な探求だったのです。
そして、
それを日常生活に活かすことを
彼女は怠りませんでした。
「焦ることはない」と
私は彼女に、事あるごとに言いました。
「君のその地道な努力こそが、
何よりも貴重です。
技の表面をなぞるのではなく、
その奥にある理合いを、
心身で理解しようとしている。
それは、いずれ偉大な力となるはず。」
彼女は、私の言葉を信じ、
ひたすらに基本動作を繰り返しました。
最初は戸惑っていたようでしたが、
日を追うごとに、
彼女の動きには
微かな変化が表れ始めました。
相手のほんの僅かな
" 氣の変化 " を感じ取り、それに自然に対応する。
力任せではない、" 理にかなった動き " 。
それは、
まさに合氣道の真髄に触れ始めた証でした。
「先生、最近、少しだけ相手の動きがわかるような氣がします…」
彼女の言葉に、
私は深い喜びを感じました。
才能の有無ではない。
" 愚直なまでの継続こそが、真の洞察力を生むのです "
一つの基本を、
諦めずに磨き続けた彼女の努力が、
入門から四年近く経った頃に、
ようやく光を見せ始めたのです。
そして今や、
その日本女子は
三十人以上のお弟子さんを指導する
合氣道師範へと成長しました。
合氣道の道は、
一朝一夕に極められるものではないのです。
しかし、
一つの技、
一つの動きに深く向き合い、
その奥にある
「目には見えない理合い」を
体得しようと " 必死で努力 " すれば、
おのずと他の動き、
さらには武道の奥深さ全体が
見えてくるように思うのです。
弟子諸君!
その地道な歩みを、決して止めるな。
君たちが今、
懸命に磨いている " その一点 " こそが、
やがて光となり、
君たちの未来を照らしてくれると
私は心から信じています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
兵庫県合氣道連盟
合氣道琴心館寺崎道場
道場長 拝